③株式先物を売る
日経平均先物の仕組みを簡単に説明すると、
・日経平均株価(仮に2万円)2万円×千倍=2千万円の売建て
・日経平均ミニ先物では、この10分の1、つまり2百万円の売建て
となる。この取引は信用取引の一種であり、証拠金が必要になる。
日経平均先物取引は通常の単位が1千倍の価格、証拠金はその100分の1、つまり日経平均株価2万円の時ならば、建て玉は1単位2千万円、証拠金は最低2百万円が必要だ。これを10分の1のサイズにしたのが、ミニ先物である。具体的な取引例を見てみよう。
仮に日経平均株価が2万円の時、1万9千円まで下がった場合に日経平均先物を1枚売り建てたとすると、「2万円-1万9千円=1,000円」。「1,000円×1,000倍=100万円」の利益(手数料、税金は考慮せず)となる。日経平均ミニ先物を1枚売り建てた場合は、この10分の1の10万円の利益となる。
ただし、投機的な面もあり、証拠金や、どこで損切りするかなどのリスク管理には注意が必要だ。
④オプションでヘッジする
ここではオプションの買建てのみを考える。買建ては買値だけの損限定だが売建てはリスクが限定されず危険なためだ。
オプション取引とは決められた月日(決済日、SQ日ともいう)の日経平均株価を定め、その価格で売る権利『プットオプション』、買う権利『コールオプション」の売買だ。
例えば、日経平均株価1万4千500円コールオプションは決済日(SQ日)に日経平均株価が1万5千円で引ければ、500円の価値がある。一方この引け値で1万5千500円プットオプションを買建てた場合も500円の価値となる。オプションの単位は1,000倍なので、上記の例ではそれぞれ50万円の価値となる。このようにして決められた日(SQ日)の価格が下がるか上がるかの予想があたれば大きな価値を生むことになる。そしてこの予想をヘッジに使う。
ここで大事なのは、ヘッジならば掛け捨て保険のように捨てたつもりで静観するという事。今回の急落でも僅かの利益で売却してしまい、その後の下落局面において保険を手放してしまっている場合も意外に多い。
今回のような滅多にない急落場面では、例えば1万8千500円プットは8月11日には30ポイント程度つまりは3万円程度だったが、26日、一時的に株式先物が1万7千160円に暴落した場面では1500ポイントまで急騰した。実に3万円が150万円となった。
⑤ETF商品で下げをヘッジ
ETF商品の中には、下落局面で利益が出る、日経平均ダブルインバースなどの商品もある。
多様なヘッジ手段に触れることで、自己の資産を守ろう
株式市場には主に二つのリスクが存在する。一つ目が個別株リスク。二つ目が市場リスクである。個別株に何か業績悪のような材料が出た時は、売却するか、信用で売り建てることが可能。反対に市場全体が売られるような時は、日経平均先物、オプション、ETFのような商品で市場リスクを管理出来る。この二つのリスクを上手に管理する様々なヘッジ手段で、自分の資産を守ろう。それが波乱相場を乗り切る一つの方法である。(ZUU online 編集部)
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