(写真=任天堂)
任天堂 <7974> が同社初となるスマホゲーム「Pokemon GO(ポケモンゴー)」を2016年、リリースする。ゲーム業界の雄が満を持してスマホゲーム市場に参入することは、業界に多大なる影響を与えるはずだ。そして記念すべきこの最初のタイトルも、大きな可能性を秘めている。
家庭用ゲーム機市場縮小の一方で伸長するスマホゲーム
ファミ通によれば、日本の家庭用ゲーム市場(ハードとソフトの合計)は、2012年に5000億円ほどだったが、3年後の今年で約3700億円と一気に縮小している。
その一方で、日本におけるスマホゲーム市場は年間約6000億円(米App Annie社調べ)。2016年までには年間8000億円に達するといわれる。スマホゲーム市場の進展がいかに著しいか分かる。
これまで任天堂は、先日亡くなった岩田聡前社長の方針で、スマホやタブレット向けのゲームソフトを出してこなかった。Wii Uなどの家庭用ゲーム機が主力だった同社としては、マイナスの影響が大きいと考えていたためだろうが、スマホゲーム市場の成長を見てそうも言っていられなくなったのだろう。
ARゲームの先駆『Ingress』のノウハウを生かす
任天堂のスマホゲーム市場への参入は、市場の勢力図を塗り替える可能性がある。家庭用ゲーム市場の巨人ともいえる同社は多数の優良コンテンツを擁しているからだ。今後、同社のタイトルがスマホゲームに移植されることになれば、そのインパクトは大きいはずだ。
ただ家庭用ゲームをそのまま移植すればヒットするという単純な話でもない。任天堂もそれは承知しており、スマホゲーム第一弾の「Pokemon GO」は、既にスマホで成功している「Ingress(イングレス)」を参考にしている。
これは現実の地図と位置情報に、仮想現実をオーバーラップさせる「AR」(拡張現実)を応用した位置情報ゲームで、スマホの特性を最大限生かしている。実は開発元であるNiantic (ナイアンテック)社が今回、「Pokemon GO」の開発にも参加している。
「Pokemon GO」も「Ingress」と同様、スマホ片手に現実の世界を歩き回るゲーム。その中でポケモンを発見・捕獲したり、近くにいる他のプレイヤーとバトルしたり、あるいはポケモンを交換したりして遊ぶ。