堀江貴文: それは多分、確率論で説明できるようにも思うんですよ。例えば、絶対成功の確率がほとんどない、でも成功したときのリターンはわからないよ。成功のリターンがわからないと計算ができないってことですよね。

林要: そうです。そこを人工知能はいけないんです。いけるかもしれないけど、そこにコストをかける理由がみあたらないんです。

堀江貴文: ただ、人間であれば、リターンがわからないことをやっちゃうんだと思います。結論として、それをずっとやってきましたよね。だって、どんどん最適化していけばいいわけじゃない。本当は生物ってちゃんと合理的にプログラミングしていれば、すごく住みやすい環境があるよね。ただ、隕石が落ちたらどうなるか考えられません。
でも、実際には落ちてきて、そしたらエクストリームな環境でしか生きられないような奴らしか生き残れませんでした。そいつらは普段からそこにいるんです。海底のものすごい熱水なところで硫黄を食って生きている生物もいますよね。そういう生物がいたからこそ僕たちがあるわけで。どう考えても非合理ですよね。

「最適戦略」か、それとも「好適戦略」か?

中野信子:「 最適戦略」と「好適戦略」どちらをとるのかというのがあります。「最適戦略」は今、堀江さんがおっしゃったような極限まで環境にチューニングするわけですよね。だけども、「好適戦略」はある程度適応してしまったら、適応をやめるんです。ぴったり適応するための努力をしきるのではなく、遊びを残しておく戦略です。そういった個体の種のほうが生き延びやすい。

堀江貴文: だから保守的な人のほうが多いんですよ。保守的じゃないですか、好適戦略って。その記憶が残っていて、僕はどちらかというと革新をずっとやってきました。たとえば、この人たちいつまでもなぜ現金使ってるんだろうな、カード使えばいいのに、って思っています。ただ、「カードのネットワークが止まりました」というような時に、「現金払えばいいじゃん」みたいな感じで、(保守的な側が)生き残ったりするわけですよ(笑)

中野信子:「 NASAが宇宙空間でも文字書けるように、上を向いてかけるボールペンを開発しましたが、ロシアでは鉛筆を使っていました」というジョークがありましたね。そういう「保守的な戦略のよさ」も確かにあると思いますね。 (ZUU online 編集部)

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