ピーター・リンチ,投資術,銘柄選び

(写真=Thinkstock/Getty Images)

長期の株式投資の世界ではウォーレン・バフェット氏と並び、神様的な存在になっているピータ・ーリンチ氏は自著で13の投資銘柄選択指針を示している。そのなかの9番目に示されているのが「ニッチ産業」への投資だ。

リンチ氏はその中で、ニッチで独占的なシェアをもつ会社を日常的に探していると記している。それだけの魅力が「ニッチ産業」にあるということの示唆である。今回はその「ニッチ産業」をクローズアップしてみることにする。

「ニッチ産業」の定義とは?

需要があっても規模が小さいため商品の供給・提供がなかった市場や、潜在的需要を掘り起こす産業のことをニッチ産業とよぶ。

市場が小さいがゆえに大企業が関心をもっていない、あるいは対応できない領域が多く、独自の高度な技術や知識、常識にとらわれない柔軟さをもち、小口の需要にも迅速に対応するといったビジネスモデルを構築していることがひとつの特徴となっている。

確かに独占事業で参入障壁が高く、価格決定権を握ることが容易であるのは間違いなく、こうした企業が上場しているとすれば投資対効果の高いものになるといえる。ピーター・リンチ氏はこのポイントに着目しているのだ。

経済産業省もニッチ産業に注目

経済産業省も、国際展開に優れ、日本の経済のけん引役となる企業を支援し、国際競争力の向上を確保していくという観点から、グローバル展開で優秀と認められる実績がある企業を「グローバル ニッチトップ企業」と位置づけ、100社を選定している。

こうした企業は①世界シェアと利益の両立、②独創性と自立性、③代替リスクへの対処、④世界シェアの持続性などの側面で評価されており、現状ではほとんどが中小企業ながら、将来IPO(株式公開)を果たせばピーター・リンチ氏がいうところのニッチ産業として投資の対象になる企業が多くなっている。

具体的な企業名は経産省のサイトで確認いただきたいが、機械・加工部門 で52 社、素材・化学部門 で20 社、電気・電子部門で15 社、消費財・その他部門で13 社、ネクストGNT(グローバルニッチトップ=今後の飛躍が期待される企業)部門で7 社と、幅広い産業部門からノミネートされている。こうして選ばれた企業が上場していくまでにはまだ時間がかかりそうだが、同じ業界内の「ニッチ企業」ですでに上場している企業は投資対象として検討に値するだろう。