(写真=PIXTA)
相続税対策をしようと思ったとき、まず相談相手として思い浮かぶ専門家は誰だろう。税理士、ファイナンシャル・プランナー(FP)、弁護士などが挙げられるが、どのケースにどの人に相談すればよいのかはあまり知られていない。今回は、相続対策に関する専門家の選び方について解説する。
相続を知らなくても税理士、FP、弁護士になれる
専門家選びでまず知っておきたいことは、税理士、FP、弁護士のいずれもそれぞれに相続を専門とする人がいるという点である。逆に言うと、資格を持っていても、相続を専門としていなければ相続についてまったく知識がないことが十分あり得るということである。
税理士の場合、多く人は法人の記帳代行や税務申告などの業務をメインに行っている。相続税対策や相続税の申告を一度もやったことのない税理士はたくさんいる。FPは金融系の資格であることから、株式投資や保険を得意とする人が多い。弁護士に関していえば、司法試験において相続に関する出題はほとんどなく、専門家でなければ知識はほとんど有していない。
最初のポイントは、資格のカテゴリーよりも各資格保有者の専門分野で選ぶということである。心臓病にかかったとき、医師免許保有者だからといって眼科や耳鼻科を受診する人はいない。心臓を専門とする医師に相談するはずだ。それと同じである。
では、税理士、FP、弁護士のそれぞれに相続の専門家がいるのであれば、ますます誰に相談したらよいのか。それは相談内容によって決まる。