(写真=PIXTA)
北海道新幹線が2016年3月26日に開業する。今年3月に開業した北陸新幹線が盛り上がりをみせたこともあり地元では「新幹線効果」に対する期待が高まっているが、周囲からはいくつかの問題点が指摘されている。
空路に流れる「4時間の壁」
北海道新幹線は本州と北海道を結ぶ初の新幹線となる。新青森—新函館北斗間の新規開業によって東京—新函館北斗が直通となり、新函館北斗までの所要時間は東京からは4時間9分となる。市街地にある函館駅までたどり着くには、新函館北斗からさらにアクセス電車「はこだてライナー」で17分かけて移動することになるが、東京—函館駅間の所要時間は、現在(東北新幹線+在来線)に比べると1時間ほど短縮される。運行本数は東京からの直通10往復、仙台、盛岡、新青森からの直通が各3往復となる。
交通手段を選ぶ際に、新幹線の移動時間が4時間を超えると空路を選ぶ人が増えるという統計がある。北海道新幹線を利用した場合、東京からは函館までのアクセス電車の移動も含めると約4時間半を要する。それに対し飛行機は、東京—函館間を1時間30分弱で結んでいる。在来線利用時に比べれば1時間ほど短くなるとはいえ、空路との比較においては不利な状況は続くことになる。
また運行本数についても、北陸新幹線の東京—金沢間24往復に対し、東京直通10往復というのはいかにも少なく感じてしまうことは否めず、地元でも落胆の声が聞かれる。運行本数が少ないことの理由のひとつに、貨物列車との共用区間があるという点が挙げられている。北海道と本州の物資輸送となる貨物列車は大切な役割を担っているため、安全性確保を優先すると限界の設定ということになるのだろう。