国内最後の夜行急行、惜しまれ廃業

北海道新幹線開業に伴い、青函トンネルを通る在来線、特急がすべて廃止となることも盛り上がりを削ぐ要因となっている。新青森—函館をつないでいた「白鳥」「スーパー白鳥」、青森—札幌を結ぶ夜行急行「はまなす」、そして上野—札幌を結ぶ寝台特急「カシオペア」も姿を消し、青函トンネルを通る旅客列車は新幹線のみとなる。新幹線開通によって青函トンネルの電圧が上がり、既存の列車を対応させることができないというところに起因しているようだ。

「はまなす」は国内最後の夜行急行で、青色寝台車が連結されたブルートレインの雰囲気が鉄道ファンの人気を集めている。また、夜間に札幌と青森を結ぶ唯一の移動手段であり、高速バスがないなかで地元住民に長く愛されてきた列車でもある。「カシオペア」は1999年に誕生し、鉄道ファンのみならず、誰しも一度はこれに乗って旅をしてみたいという憧れの位置づけにあった豪華寝台列車である。8月に廃止になった「北斗星」に続き、惜しむ声が多い。

これらの列車は単なる利便性だけではない価値を提供してきたといえる。北海道新幹線開業に対する盛り上がりに欠けるのは、こうした心情的な問題も少なくないだろう。


函館観光の魅力発信を突破口に

阿寒町に拠点をもち道東、道央でリゾートホテルや高級旅館などを成功させてきた鶴雅グループ(釧路市阿寒町)が、新函館北斗駅より10キロメートルほどの大沼公園にあるJR北海道のホテルを買収することを発表した。鶴雅グループとしては道内で12番目のホテルになる。ホテルの周囲にある雑木林を庭園として造形し、新幹線ブームにとらわれず、世界からの集客を見据えたホテルにしたいと大西社長が会見を通して語った。

函館市をはじめとした道南地域では観光キャンペーンを強化し、積極的に魅力を発信し始めている。新幹線開通が盛り上がるためには、地域の魅力を高め注目されることが必要になってくる。

北海道新幹線は2030年に札幌まで延伸する予定になっている。新函館北斗までの開通は、いわばスモールスタート。課題はあれど、本州と北海道が新幹線でつながることは将来的に大きな意味を持つことだろう。 (ZUU online 編集部)

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