訪日外国人のうち80万人が聖地巡礼のために来日

観光庁が訪日外国人に「訪日前に期待していたこと」を複数回答で尋ねたところ、6.1%が「映画・アニメ縁の地を訪問」と回答したという(訪日外国人消費動向調査(2014年7‐9月期報告書)。

6.1%というと大したことのない数字に見えるかもしれないが、2014年の訪日外国人旅行者数が約1341万4000人だから、81万8000人が聖地巡礼に期待して訪日したという計算になる。これは簡単に見過ごせる数字ではない。

また実際に「映画・アニメ縁の地を訪問」した外国人に満足度を尋ねたところ、83.4%が「満足した」と答えている。この結果からは「期待に対して余りある体験ができた」という理由が推測される。それぞれの聖地がやみくもに観光客を呼び込むのではなく、満足できる環境を整えていることの表れではないだろうか。

日本でも1990年代には始まっていた

好きな小説や映画の舞台への探訪は古くから世界中で行われてきた。日本でのアニメ聖地巡礼が始まったのは1990年代あたりといわれている。

2000年代に入りブームに火がつき、そして今、外国人観光客にまで広がりを見せている。先に挙げたエヴァンゲリオン以外にも、ジブリ作品でも同様の聖地巡礼をする熱狂的なファンは国内外に少なくない。

最近では、アニメを制作する側がこの聖地巡礼をあてこんでか、実在の自治体・街並みを採用にした作品づくりも盛んになってきている。

かつては「子どもやオタクが見るもの」と決めつけられがちだったマンガやアニメが、日本の文化として確かに認められ始めている。聖地巡礼を目的に訪れる外国人観光客の増加は、それを証明しているのだろう。(ZUU online 編集部)