近年、都内のキャバクラを後にする際、とりあえず領収書をもらって帰るサラリーマンが増えたようだ。2013年と2014年における法人税法上の交際費課税の改正により、それまで厳しかった企業の接待交際費支給額が緩んだことによるものだろう。

「キャバクラって、オトコが女のコ目当てで行くところでしょ?そんなところで使うおカネが経費になるの?」という疑問をもつ読者もいるかもしれない。しかし、税法上の要件さえ満たせばキャバクラ代も経費になるのだ。

交際費のしくみ これでキャバクラ代は経費になる?

ここで法人税法上の交際費についてざっと見てみていこう。

交際費は、租税特別措置法の中の法人税法の特例の中の規定だ。基本的には、「交際費は、そもそも冗費(=ムダ遣い)であるから、法人税法上の経費として認められない」というのが法人税法上の考え方である。ただし、長期間にわたる景気の落ち込みなどから、景気浮揚策として、2013年と2014年に相次いで交際費、特に飲食に関連する部分(以下、飲食接待費)についての改正が行われた。現在、交際費についての取り扱いは、次のようになっている。

(1)中小企業(資本金1億円以下)の場合

つぎの2つのうち、いずれかを選択して適用できる。

  • 交際費の上限を800万円として経費計上
  • 交際費のうち接待飲食費の50%を経費計上

(2)大企業((1)以外)の場合

交際費のうち接待飲食費の50%を経費として計上できる

なお、基本的な交際費の定義は次の通りだ。

  • 支出の相手方が事業に関係のある者
  • 支出の目的が事業関係者との親睦の度を密にして取引関係の円滑な進行を図ること
  • 行為の形態が接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為であること

交際費というと、単に取引先や仕入れ先との酒食代のみでなく、お歳暮やお中元、接待ゴルフ費用などを含み、幅が広い。この広義の「交際費」のうち、飲食の基準に該当するものについてが「接待飲食費」として、取り扱われる。飲食の基準は次のようなものだ。

  • 取引先等を接待して飲食するための「飲食代」
  • 飲食等のために支払う「テーブルチャージ代」や「サービス料」「タクシー代」といった付随費用
  • 取引先等の業務遂行や行事参加の際に差し入れる「弁当代」
  • 飲食店等での飲食後、その飲食店等で提供された「お土産代」

キャバクラに行く(=接待)のは、本音はどうあれ、基本的に仕事で行く場合には取引先が一緒だし、一緒に行くのは、仕事をよりスムーズに行うためであると言える。よって、キャバクラ代は会社経費になるのだ。なお、その際の帰りのタクシー代も接待飲食費に含まれる。

【合わせて読みたい「老後・年金」シリーズ】
働くほど損をする。現在の年金制度とは
人生100年時代 老後に何が必要か
「つみたてNISA」と「iDeCo」 どちらを選ぶべきか
米国では高齢者の3割が「老後の蓄え」に後悔