アメリカでは、弁護士や会計士と並びファイナンシャルプランナー(FP)も専門家としての地位が確立しており、個人がFPを顧問として雇うこともめずらしくない。しかし、日本ではまだ認知度も低く、お金を出してまで相談することに抵抗がある人も多い。そこで、FPとはどのような専門家で費用はどれくらいかかるものなのか紹介していこう。
ファイナンシャルプランナーって?
FPは金融資産運用、保険、公的年金、税務、不動産、相続・事業承継などの相談を受け、顧客にアドバイスを行う「お金に関する専門家」だ。元保険会社員なら保険について、元証券会社員なら株式と、専門的な知識を有している人はいるだろう。しかし、それらの人が税や不動産の分野まで精通しているかどうかは分からない。それに比べ、FP資格保有者であれば、税や不動産も含めお金に関する広い知識を最低限持ち合わせている。その総合力がFPの強みだ。
一方、FPのわかりづらいところは資格が1つではないことだ。FPには弁護士法や公認会計士法といった規制法令はない。現在、FPの資格としては厚生労働省の技能士資格である「1~3級FP技能士」、日本FP協会の「CFP」「AFP」がある。
厚生労働省の技能士検定は国家検定制度で、試験に合格することで「技能士」と名乗ることができる。試験科目はライフプランニングと資金計画、リスク管理、金融資産運用、不動産など6科目にわたる。技能レベルに応じて1級から3級まであり、1級では学科試験のほか2回の面接による口頭試験が行われるという厳しさだ。
日本FP協会の「CFP」と「AFP」は民間資格で、CFPが上級資格、AFPが一般資格となる。AFPは2級FP技能士の合格後、研修を受けると認定を受けられる。一方、CFPは金融資産運用設計や不動産運用設計、リスクと保険など6科目の試験がある。CFPは科目合格制が採られているので最終合格率の判断は難しいが、2015年度第1回試験でみると合格者輩出率は7.8%。CFP資格は北米やアジア、ヨーロッパなど世界24カ国・地域で導入されている国際ライセンスでもある。
どのFP資格であれ、広い分野をまんべんなく学んでいるので、無資格者に比べて安心して相談できるといえる。難しい相談の場合、費用は高くなるかもしれないが、1級FP技能士かCFPに相談するといいだろう。
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