(写真=PIXTA)
30代〜40代といえばキャリア形成の真っただ中、結婚や子どもの教育、マイホーム購入など何かと「お金」に対する悩みが増える時期である。「家計のプロ」であるファイナンシャル・プランナー(FP)として、寄せられた相談から30代〜40代の間で多いものを紹介し、FPとして顧客に教えたいお金の知識を解説する。
圧倒的に多い「老後のお金」に対する相談
FPになって以来、多くの人のお金の相談にのってきたが、最近、老若男女世代を超えて増えているのが老後のお金の相談である。特に働き盛りの30代〜40代は、給与が伸びない中、税金や社会保険料は上がり、少子高齢化による年金不安もあり、老後の生活に不安を抱えている人が多い。
最近は物価が上昇するインフレの傾向にあり、将来に備えてお金を増やしたいという相談も増えている。老後のためにお金を増やしていくことももちろんだが、物価の上昇に負けない運用をしていかないと実質的なお金の価値は目減りしてしまう。
例えば32年前オープンしたディズニーランドのワンデーパスポートは3900円だったが、今年2015年改訂以降のワンデーパスポートは6900円。実に1.77倍である。「魔法の国」ではその値上がり率にも「魔法」がかかっているようにも見えるが、これがインフレである。
物価の上昇に負けない資産運用をしていかないと実質的な自分のお金の価値は目減りしてしまう。それもリスクのひとつといえよう。時間と金利を味方につけながら、分散投資をしていくことが必要だ。
進化し続ける医療保険
30代〜40代は結婚し、教育資金、住宅資金など出費がかさんでいる人も多く、家計の見直しの相談に来る人も少なくない。支出の見直し、家計のやりくり相談のなかで不可欠なのが固定費の見直し。毎月決まって出ていく支出を見直すことで家計の抜本的な改革ができる。
その中でも保険の見直しは効果が大きい。特に医療保険・がん保険は、各保険会社で商品競争が行われ、商品内容もよりよく、保険料もより安くなる傾向にあるので、商品ごとの特徴をしっかり把握して選ぶことが大切だ。
価格比較サイトだけでは把握することが難しい給付要件や付帯しているサポート機能もきちんと比較したい。病気になっていても古いタイプの保険から新しいタイプの保険へ切り替えができる「転換」という制度があるかどうかなども知っておきたい。長い人生の中での様々な局面に対応・順応していけるようリスクコントロールをしていくべきだ。価格だけではわからないところを見極めて顧客のニーズにあったものは何なのか見つけることがプロのFPの仕事である。