36e52704-7fb5-4d72-ab09-c065bc68c151 (写真=Thinkstock/Getty Images)

日本の「お家芸」だった、半導体産業。スマホやパソコンだけではなく、タブレットにも用いられる半導体は電子機器製品の要となる部品だ。台頭する韓国メーカーなど海外勢に押されて苦戦しているものの、半導体分野で地歩を固めようと取り組む企業がある。RS Technologies(RS テック) <3445> がそれだ。

同社が手掛けるのは特に、半導体ウエハーの再生事業。IC チップなど半導体製品やその材料となるウエハーそのものの製造ではなく、いったん検査して廃棄しなければならなくなったウエハーを、検査用ウエハーとして再び生産ラインにのせるための処理を行うサービスで、平たくいえば「ウエハーの洗濯屋さん」だという。

方永義社長は「現在は世界シェアの 30%となっているが、近いうちに 40%のシェアをとりたい」と目標を語る。同社の調べによると、ウエハー再生市場は 500 億円規模となっており、200 億円規模にまで拡大を図る構えだ。

RS_TECH_HOU_PRESIDENT (写真=ZUU online 編集部)

半導体メーカーにとっては、検査に毎回、新品のウエハーを用いるよりも、圧倒的に低いコストでの検査を可能にする、ウエハー再生は経営の効率化に不可欠だ。その「縁の下の力持ち」の立場にある「半導体ウエハー再生事業」に取り組む RS テックを、今回は紹介する。

底堅い「半導体ウエハーの再生需要」

NEC <6701> やソニー <6758> など、海外勢も含めて半導体メーカーは数あるが、製造プロセスでは検査は必須。その中で発生する加工されたり、ゴミが表面に付着してしまったウエハーを検査用に再生するのは、半導体メーカーにとっては様々なメリットになる。

そのメリットの具体例の一つがコスト圧縮効果だ。RS テックによれば、生産工程における検査で新品のウエハーを使い、廃棄してしまうよりも、再生ウエハーを検査に用いることでコストを約 4 分の 1 に圧縮できるという。つまり、半導体メーカーにとっては、効率化には不可欠なやり方になるのだ。

それだけではない。半導体製品の需要そのものの底堅さも、半導体ウエハー再生事業を長い目で見た時の長所だといえる。現在、ほとんど誰もが使っているであろうスマホや、パソコンに必須の部品である上に、日本政府の成長戦略にも盛り込まれているロボットやドローン、あるいは自動運転車を作る際にも、必要とされることは請け合いだ。

車載電子機器にも用いられている半導体の需要そのものは、今後も堅調に推移するとの見方が大勢とも言えそうだ。

ラサ工業から引き継いだ「膜」除去専門技術

旺盛な半導体の再生需要があるとはいえ、それほど簡単ではないのも半導体の再生だ。厳しい品質管理が求められるなど、繊細な側面を持つ半導体製品の製造だが、ウエハーの再生にも高度に洗練された技術が必要とされる。

例えば、検査などで表面に作られるウエハー本体と性質の異なる(「膜」と呼ばれる物質)層を取り除かなければならない。さらに、生産工程によってウエハー表面に作られる「膜」の種類も変わってくるという難しさもあるという。

RS テックではこの「膜」を化学薬品で処理して除去。ウエハー本体の性質を変化させない処理が求められるため、「膜」だけを適切に取り除くための高度な技術が必要となる。

鈴木正行取締役はこの点について「ラサ工業 <4022> の半導体再生事業を承継したため、再生処理についての知見と技術がある。膜の性質にあわせて、それを除去する化学薬品のレシピや手順などのノウハウを持っている」と自信を覗かせる。また、同社 IR 担当の伊藤氏は「社内にもこのレシピの全体像を知っているものは限られており、誰が知っているかもわからないようになっている」と解説する。

ちなみに、こうした知見や技術を、半導体ウエハー再生のために必要とされることから、参入障壁も高いのがこの業界の特徴でもあるという。巨大な設備投資も必要で、現在でも、およそ 10 社しかプレーヤーがおらず、その少なさからも求められる技術の高さが窺える。

ただ、RS テックの目標はこの半導体再生という分野にはとどまらない。今後の展開について方社長は「投資家の利益を守り、配当という意識を常に持っている。当面は中期的な計画をしっかりと、履行していく」とした上で、さらに将来には「半導体ウエハーのプライムメーカーに成長していきたい」と見通しを語った。(ZUU online編集部)

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