不動産投資はなぜ「東京」がいいのか

不動産投資は「立地」が重要と言われる。重吉氏が「東京」を推す理由は至極単純である。「不動産投資は人の集まるところに投資をするんです。だから東京なんです」(重吉氏)

今後、日本で人が集まる可能性があるのは東京都内だと言い切る。例えばJR東日本は山手線田町—品川間に新駅を設置する方針であり、2020年の暫定開業を目指している。周辺では商業施設やオフィス街の建設が予定されている。

首都圏の大学の都心回帰が進んでいることも好材料である。最近では明治大、東京理科大、立正大、大妻女子大、拓殖大などが都心のキャンパスへ移転しており、重吉氏によると、2005年からの10年間で約5万1000人の学生が都心に流れ込んだ。背景には少子化が進み、郊外で学生を獲得することが困難になっているという事情がある。大学の”都心回帰“傾向は今後も続いていく見込みで、例えば中央大は2022年、40年ぶりに後楽園キャンパスへ法学部を移す方針である。重吉社長は「今後も数万人の学生が郊外から都心へ移る」と見込んでいる。無論、2020年の東京五輪も好材料である。

今、東京の中古ワンルームマンションは「買い」なのか

今、東京都内の中古ワンルームマンションは「買い」のチャンスなのだろうか。

東京カンテイの調査によると2015年のワンルームマンション一戸の平均価格は新築(2642万円)と中古(1284万円)で1300万円以上の差がある。東京23区の各自治体は新築ワンルームマンションの建設規制を進めており、新築ワンルームマンションの供給は減少する可能性がある。価格はさらに上昇する一方、優良物件の情報が得にくくなる可能性があるという。

重吉氏によると、アベノミクスによる経済効果で都内のワンルームマンションの価格は新築、中古ともにここ数年で1割ほど上昇した。それでも日本財託の試算では低金利などのため都内中古のワンルームマンションはまだ手取り4〜5%の利回りを見込めるという。フランスの経済学者トマ・ピケティ氏が世界20カ国の過去200年のデータを検証した結果で、資本収益率(株式や不動産投資の利回り)は過去平均で4%だったことを考えると、東京都内の中古ワンルームは「悪くない」とも言える。

「(都内のワンルームマンションの価格は)少なくとも東京五輪までは下がることはないと思います。五輪をピークにさがるかどうかは分からないが、五輪までの5年間は着実に稼ぐことができます」と重吉氏は話す。例えば1500万円の物件で手取り利回りが5%であれば、5年間で購入費の25%を家賃収入で回収できる。2020年に不動産価格が25%以上下落をしないのであれば今投資をした方がお得だという計算になる。「数年で25%も都心のワンルーム価格が下落したことはバブル崩壊の時期を除くと今まではなかった」(重吉氏)という。

晩婚化や高齢化を背景にワンルームマンションの需要は伸びるとも言われている。東京都の予想では、都内の単身世帯数は今後も増加し続ける見込みで、2025年には2015年と比べて17万世帯増の283万世帯となるという。「東京五輪後」という懸念はあるが、一考の余地はありそうだ。 (ZUU online 編集部)

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