ユダヤ・華僑が古くから実践する分散投資

こうした資産運用法を古くから実践しているのが、ユダヤ人や華僑と呼ばれる人々です。ユダヤ教の聖典「タルムード」にも「富は常に三分法で保有すべし。すなわち3分の1を土地に、3分の1を商品に、残る3分の1を現金で」と記されています。

現代においては、さらに株式や債券、複数の通貨などへ分散させることと意味すると考えていいでしょう。私は、現在の会社を起業する前、日系証券会社のシンガポール法人で富裕層向けサービスを担当していましたが、フィリピンやシンガポールなどの華僑の資産家もまさに同様の考えでした。

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(筆者作成)


ストックを活用しフローを生む

こうしたユダヤ人や華僑の分散投資には、さらに大きな特徴があります。それは、既存の資産から安定して得られる収益(ストック)を、常に成長性の高い市場(フロー)へと振り向けていることです。現在でいえば、先進国から得られる収益を、一定のリスクを覚悟しながら複数の新興国へと分散投資することに当たります。ユダヤの富豪として知られるロスチャイルド家などは長年、こうして資産を増やし続け、度重なる戦禍などをくぐり抜けてきました。