12月28日の東京株式市場は、年末休暇により市場参加者は限定されていたものの、大発会への期待感などから、買いが入り、日経平均株価は、前週末比104円29銭高の1万8873円35銭で大引けとなった。

29日の東京株式市場は、朝方は、米国株や原油先物価格の下落などから売られたものの、時間外での米国株先物の上昇などをきっかけに反転し、日経平均株価は、前日比108円88銭高の1万8982円23銭で取引を終えた。

30日の東京株式市場は、海外株高を背景に、幅広い銘柄に買いが入ったものの、年内最終日ということもあり、市場参加者は限定的だった。それでも、日経平均株価は、前日比51円48銭高の1万9033円71銭と、年間ベースで4年連続の上昇、19年ぶりの高値で2015年の取引を終えた。

今週の株式展望

今週注目される経済指標は、4日の米12月ISM製造業景況指数、6日の米12月ADP雇用統計、米12月ISM非製造業景況指数、8日の11月景気動向指数、米12月雇用統計などである。決算関連では7日に、キューピー <2809> 、7&i HD <3382> 、ファミリーマート <8028> 、ファーストリテイリング <9983> 、8日にオンワードHD <8016> 、乃村工藝 <9716> 、吉野家HD <9861> などが予定されている。

今週の株式市場であるが、週末に米雇用統計を控えているため、大きな方向感は出づらいだろう。1月4日の大発会は、2016年の相場への期待感から上昇すると考える。ただ、その後は、重要指標と原油先物価格動向に左右される展開となるだろう。

また、テクニカル面は、週足ベースのボリンジャーバンドは、日経平均株価のローソク足が移動平均線を下回り、-1σの間程度の水準で、週足14週のRSIにおいては、60%台前半と、多少の割高感を感じる水準となっている。

日足ベースでみても、ボリンジャーバンドは、ローソク足が移動平均線を下回り、-1σの間で、RSIは45%程度となっているが、特段、方向感が出ているとはいい難い状況である。

以上を考慮すれば、年が明けて海外投資家も戻ってきたことで流動性は増加しており、海外勢主導の展開が予想される。しかし、雇用統計などの重要指標を控えていることから大きなトレンドは出づらいはずだ。それでも、大発会でのご祝儀相場が期待できることから上昇して始まることが期待される。雇用統計を控え、休みから復帰した海外勢のポジション調整があることを考慮すれば、中立が妥当だろう。

また、年初めのため少し長い展望を考えてみよう。2012年の年末からアベノミクス相場が開始し、黒田日銀総裁主導による大胆な金融緩和が行われたが目標とする物価上昇には届いていない状況だ。そして、消費大国である中国の景気減速を考えれば、対中国との貿易も多いため、日本株にも影響があるだろう。

しかしながら、本年夏に参議院選挙を控えており、安倍政権から企業への賃上げ要求などが期待される。その結果を受けて、個人消費の拡大も期待されることから、少なくとも、夏までは上昇相場を期待しても良いのではないだろうか。(ZUU online 編集部)

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