決算発表シーズン自体はこれまでにも増して要注意

株式市場の波乱が続く中、3月決算企業の決算発表シーズンが接近しています。表2は、当社WEBページに掲載されている月日別決算発表予定社数となっていますが、3月決算企業の第3四半期決算は、1/29(金)、2/5(金)、2/12(金)等に社数が多く、集中日になっています。決算発表では、単純に増収とか増益か否かという点が注目されるのではなく、実績や予想が、アナリストの市場コンセンサス等と比較され、それを上回っているか、あるいは下回っているのかという点も注目されます。

なお、決算発表前であっても、日経新聞等のメディアにより、業績に関する観測報道が増え、それにより株価が変動しやすくなるのも、決算発表シーズンおよびその直前期の特徴です。投資家は業績動向に十分に注意すべきで、少なくとも、保有銘柄または売買予定銘柄の決算発表日はチェックしておく必要があります。

日本株投資戦略3

図1は、日経平均株価とその予想EPSの動きをグラフ化したものです。日経平均予想EPSは、上場企業の業績予想の方向感を示唆していると考えられます。冒頭に述べたように、日経平均は様々な要因を背景に下げていますが、実は、足元で日経平均の予想EPSは低下傾向に転じており、こうした企業業績の厳しさを、株価は反映していると言えるかもしれません。

最近では、東芝 <6502> が不正会計問題の末に業績予想を下方修正したことが響きましたが、今後は商社や非鉄金属、石油・石炭関連の企業で業績予想の下方修正が増えてくる可能性があります。また、外為市場では2015年、円に対してドル以外のほとんどすべての通貨は下落しており、その影響が出てくる可能性もあります。これまで、おもに「期待感」を伴った目で見られてきた決算発表は、警戒の対象になる可能性があり、注意が必要です。

表1や表2では、有望銘柄を探る上でアナリストの業績予想を参考にしましたが、今後の決算発表シーズンに、業績悪化銘柄に投資して損をしないためにも、アナリストの業績見通し等を参考にすることは、大切であると考えられます。

日本株投資戦略4

※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

鈴木英之
SBI証券 投資調査部

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