(写真=PIXTA)
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東京商工リサーチが発表した2015年の負債総額1000万円を超える全国企業倒産は8812件、負債総額は2兆1123億8200万円。25年ぶりに9000件を下回り、景気の底上げによる好影響がみられた。

一方、負債総額は前年比12.7%増に転じ、3年ぶりに前年を上回った。要因としては、負債100億円以上の大型倒産が15件と前年比2倍増となったことが挙げられる。このうち、負債1000億円を超えたのは2件。旧AIJ投資顧問の負債およそ1300億円と、第一中央汽船の同じく1196億円が負債総額全体を押し上げる結果となった。ただし依然として、負債1億円未満の小規模倒産が全体の7割を占めている。

特筆事項としては、「チャイナリスク」関連倒産が前年比6割増の76件。そのほか、法的倒産の割合が過去最高の88.1%。また従業員数5人未満が過去20年間で最高の71.2%となった。

負債総額の上位5社について振り返ってみよう(負債額は民事再生手続きの申し立て時点など)。

旧AIJ投資顧問(1313億円)「巨額の年金を消失」

ワースト1位はAIJ事件で巨額の年金を消失させた旧AIJ投資顧問(MARUに商号変更)。負債額1313億円と、2015年最大規模。12月に破産が決定した。

同社は外資系保険会社の投資顧問会社として1989年創立。2004年浅川和彦を代表取締役に起用した。全国の中小企業などの業界団体で構成される厚生年金基金の運用を受託し、独立系中堅投資顧問会社として、2011年には業界41位となる。年金専門雑誌のアンケートでは顧客からの評価も高かった。

しかし12年、顧客から預かった年金資産の大半を消失させていたことが発覚。いわゆるAIJ事件により、15年3月に前代表の浅川和彦被告が詐欺と金融商品取引法違反の罪で東京高裁から懲役15年の実刑判決を受けた(控訴中)。

第一中央汽船(1196億円)「商船三井などが支援するも民事再生」

海運業としては過去2番目に大型倒産となった第一中央汽船。筆頭株主の商船三井 <9104> や投資ファンドなどの支援を得て再建を進めていたが、9月ついに東京地裁へ民事再生法の適用を申請した。

同社は1960年第一汽船と中央汽船の合併により設立。日本‐中国間の輸送を行い、鉱石や石炭、ボーキサイト、ニッケル鉱石を中心に木材や穀物等の撒積貨物、鉄鋼製品、原油など多種多様な輸送貨物に対応。外航不定期航路部門では国内大手に位置づけられていた。
しかし、リーマン・ショックによる受注減少、燃料費の高騰、円高の影響等により経営状態が急速に悪化。一方で、運航隻数を161隻に増加するなど強気の姿勢を崩さなかった。さらに、2015年3月期には4期連続の最終赤字となるなか、運航隻数を172隻に増加。結果的に裏目になり、設備投資負担が経営を圧迫することになった。

過去、海運業で最も大きな倒産だったのは1985年の三光汽船で、負債額は5200億円にのぼった。

江守グループホールディングス(711億円) 「売り上げの約7割中国に依存」

江守グループホールディングスは主として染料や工業薬品、化学品、合成樹脂、電子部品、情報機器などを扱う福井の老舗商社。2015年4月、東京地裁へ民事再生法の適用を申請。100年以上の歴史に幕を下ろすことになった。負債総額は711億円。

近年同社は中国を中心にアジアに事業を展開。中国での資源、食糧、化学品等の販売が好調だったことに加え、円安による押し上げ効果もあり、2014年3月期にはグループ連結ベースで年売上高約2089億2600万円を計上。

しかし2015年2月、中国子会社で債権の回収可能性および取引の妥当性に疑義が生じ、外部弁護士事務所などによる調査が行われた結果、貸倒引当金を中心に約462億4600万円の特別損失が明るみに出た。売り上げの約7割を中国に依存していたことによる痛手は大きく、中国市場からの撤退及び法的整理による再建を余儀なくされた。チャイナリスクを象徴する倒産劇となった。

スカイマーク株式会社(710億円)「ANAの支援受け再生めざす」

格安航空の先駆者スカイマークが東京地裁へ民事再生法の適用を申請したのは2015年1月。2013年8月のワールド・ロジ(ジャスダック、大阪)以来、17カ月ぶりの上場企業の倒産となった。

同社は1996年、旅行大手エイチ・アイ・エス <9603> の創業者・澤田秀雄氏らにより設立。当時高額だった航空運賃を安く設定することで、大手航空会社との差別化を図り、2012年3月期には年収入高約802億5500万円を計上するなど業績をあげていた。

ところが近年、LCC(ローコストキャリア)の台頭による低価格競争が激化。燃料費の高騰などが足かせになり、2014年3月期には約18億4500万円の赤字に転落した。さらに、欧州エアバス社から新たに購入した6機の超大型旅客機「A380」を巡る総額約850億円の債務が重くのしかかった。

8月5日に開かれた債権者集会での投票で、ANAホールディングス <9202> の支援による再生計画案が可決。東京地裁から再生計画の即日認可決定を受けた。今後の動向が注目される。

STAR BULK CARRIER CO.,S.A.(568億円)  「第一中央汽船の100%子会社」

STAR BULK CARRIER CO.,S.A.(パナマ共和国)は、上記第2位の第一中央汽船の100%子会社。第一中央汽船と同日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請した。

2015年6月末時点での同社の負債は約568億5900万円。第一中央汽船の負債約1196億800万円と合わせると、2社合計で約1764億6700万円。この額は今後、民事再生手続きにおいてさらに増加する可能性がある。(ZUU online 編集部)

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