ブロックチェーン人気に本格的に火がついた今、最新のブロックチェーン技術を屈指した銀行に代わる独自の決済システム開発に余念のないスタートアップと、長年にわたって築き上げた資力をもって最新のテクノロジー技術と知識を外部から吸収し、内部で再構成しようと躍起になっている大手金融機関との間で、勝ち抜き戦が激化すると予想されている。

JPモルガンの支援を受けているから?

近年のFinTech(フィンテック)ブームにのって、特にここ数カ月間で金融業界のデータベースは目覚ましい発展をとげた。

決済システムを例に挙げると、マスターカードやVISAといった大手がブロックチェーンの採用に興味を示している一方で、ファイナンシャル・テクノロジー会社、D+HやP2P決済会社、Dwolla、海外送金を専門とするEarthportといったスタートアップは、既にブロックチェーンを取り入れた決済サービスを提供しているという点で、大手企業を1歩も2歩もリードしているということになる。

しかし「国際的なFinTech女性起業家」として知られるデジタル・アセット・ホールディングスのブライス・マスターズ女史は、これらのスタートアップがウォール街を代表する大手企業の脅威となる可能性を否定している。

マスターズ女史は金融業界で活躍する女性をサポートする目的で設立されたファイナンシャル・ウーマンズ・アソシエーションが2月23日にニューヨークで開催したイベントに出席した際、「テクノロジーの恩恵を最大限に活用しない企業は、時代の波に取り残されることになる」と、今日の金融業界ではブロックチェーンが非常に重要な役割をになっている事実を認めたうえで、「スタートアップと大手企業では資力や事業規模に差があり過ぎる」と指摘。

脅威となり得るほどの資力と事業規模を独自に確保できるスタートアップは皆無に等しく、大手企業には必要な知識と技術を開発するだけの資力や事業規模が備わっている--というわけだ。

設立1年にも満たないデジタル・アセットも、JPモルガンを筆頭とする大手企業のバックアップを全面に受けており、その部分は「ポジショントーク」の要素もあるかもしれない。

マスターズ女史の見解が正しいとすれば、今後も大手企業とスタートアップは同じ「金融」という分野で提携あるいは競争を続けながらも、実際にはまったく異なる規模とサービスで共存していくことになるだろう。( FinTech online 編集部

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