ブロックチェーン最大の利点とされる「本人認証や取引履歴における信頼性の高さ」を最大限に活かし、「惑星間ファイル・システム(IPFS)」と呼ばれるP2Pハイパー・メディア・プロトコルを用いて、デジタル・クリエイターの著作権を保護するユニークな「メディアチェーン(Mediachain)」が話題になっている。
ソーシャルメディアから美術館まで、画像データベースの最高峰に
ブロックチェーンをインターネット上の著作権保護に利用するというアイデア自体は、すでに音楽業界や映像業界でも取り入れられており、スマホから簡単に利用可能な便利な著作権認証アプリ「Uproov」なども登場している。
ニューヨークを拠点に活動するスタートアップ、マイン・ラボス(Mine Labs)が開発した分散型メタデータ・プロトコル、メディアチェーンがほかと一線を画する点は、ブロックチェーンで記録したデジタル画像に関する情報をIPFSに保管できるシステムだ。
従来のHTTPの難点として挙げられることの多い転送処理問題だが、IPFSではIPアドレスの代わりにコンテンツを指定することで、データを自由に検証できる仕組みになっている。
そのため画像データの所有者情報を記録するだけではなく、観覧側から所有者を探し出すことができるため、世界中で大人気の画像共有サイト、Instagramなどでトラブルに発展しがちな著作権問題や投稿作品の不正流出の防止、あるいは特定の作品の検索機能の向上に役立つほか、気にいった作品の投稿履歴なども簡単に観覧できるというわけだ。
2008年にマインを共同で立ち上げたジェス・ウォールデン氏とデニス・ナザロフ氏は、「データベースという点では、IPFSはビットコインなど既存のブロックチェーン・システムよりも優れている」とブログ上でコメントしており、将来的には一般ユーザーという枠組みをこえ、図書館や美術館といった公共機関がメディアチェーンの利用に興味を示すことを期待している。( FinTech online 編集部 )
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