従来のインターネットやモバイルテクノロジーで大きく日常生活は大きく変化してきた。パソコンや携帯・スマホの普及が目覚ましい変化をもたらしたのはもちろんのこと、最近では、次世代の携帯通信技術である5G(第5世代)への移行が取り沙汰されはじめている。

さらに、通信インフラの更新など膨大な投資も必要とされる5Gの導入においては、大きな経済効果も生じるのではないかとみられている。加えて、東京オリンピック・パラリンピックも2020年に開催される予定で、実施に向けた環境整備で、大きな通信機能の刷新が図られる見通しで、その経済効果にも期待が集まっている。

そこで、5G通信に焦点を当てて、ライフスタイルへの影響や、経済効果について、今回はみてみたい。

5Gでスマートシティ/スマートホームの展開が加速?

5Gを次世代の基盤とした事業化モデルとして、スマートシティ/スマートホームを積極的に推進する動きも顕在化しており、今後の大きなビジネスチャンスの一つに位置づけられている。

たとえば、中国のファーウェイは2014年より、オランダの名門サッカーチーム・アヤックスのホームグラウンドとして有名なアムステルダム・アリーナおよびアムステルダム市と連携を開始。例えば、スポーツを観戦している最中に、手元のスマートフォンで試合情報の入手やハイライトシーンの閲覧するといった体験を目指す、「スマートスタジアム」の実現を目指しているとされている。

従来の通信サービスに加えて、通信・ITを活用して「スマート」にスポーツを楽しむ環境の整備は、米国でも進む。例えば、野茂英雄や石井一久、木田優夫、中村紀洋らがかつて在籍していたロサンゼルスドジャースもその一つで、スポーツにITを活用する「スポーツテック」のスタートアップコンテストを実施。参加企業に2万ドルを投資するイベントそ成功させた経緯もあり、5Gの実現でこうしたサービスの利便性もさらに向上するとみられている。

他方で、5Gの実用化により創出される新たな市場として注目されてるのが「スマートホーム」だ。次世代通信の実用化で、その利便性がさらに増すとみられている。具体的には、遠隔地からモバイル端末で自宅のカギを確認したり、家電製品を自律的に操作したりすることも現実的な話になっており、5Gとスマートホームの連携から目が離せそうにない。

5Gなどによる2020年までの経済効果は約2兆円?

まずは通信社や通信機器メーカーの動きを見てみよう。米国の大手通信・ITだけではなく、日本の通信、機器メーカーもこうしたビジネスチャンスをモノにしようと、積極的に取り組んでいる様子だ。

具体的には、NTTドコモ <9437> がエリクソンと共同で、15GHzという高周波数帯域での通信を実用化するための、実験を実施して、10~20Gbpsを超える通信に成功したことをアピールしている。ほかにも、米国通信大手のベライゾンやアップル、シスコ、インテル、中国・韓国勢のLGやノキア、ファーウェイなども次世代通信規格への取り組みを推進しており、遅れをとらないように各社とも積極的に取り組む姿勢を見せている。

ただ、注目すべきは、より速い通信を実現する接続速度だけではなく、経済に与える効果の規模を示している様子だ。特に東京オリンピックの開催に向けて、ICT基盤の整備による経済効果はすでに試算されており、三菱総合研究所 <3636> の報告書「オリンピック・パラリンピックがもたらすICT分野の事例及び経済効果等の調査研究」によると、その規模は2.13兆円にも上るという。

同金額は、ウェアラブル機器や4Kテレビといった、次世代のデジタル機器も含まれているとはいえ、5G商用化も2020年までの実現をメドに進んでおり、同時進行で普及が進むとみられており、経済波及効果にも注目していきたいものだ。(ZUU online 編集部)

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