インフレのリスクヘッジにもなり、日本円と比較して高い利息を受け取れることが魅力の外貨預金。外貨預金を始めたいと思いつつも、為替差損が出ることが怖くて、なかなか手が出せない人も多いだろう。今回は、為替差損が出ても焦らなくてすむ3つの対処法を紹介する。リスクと対処法を知ることで、正しい投資判断をすることが大切だ。

外貨預金が気になるけれど、為替差損が怖い

円高になった時の対処法 ! 外貨預金との上手な付き合い方
(画像=cassis / stock.adobe.com)

外貨預金とは、日本円を外貨に換えて、預金で保有することだ。日本では低金利が続いているが、海外を見渡すと金利の低い国ばかりではない。たとえば、トルコリラなら1.5%、メキシコペソや南アフリカランドなら1%など、高い金利で利息を受け取ることができる。 (2020年8月3日時点 大和ネクスト銀行外貨普通預金金利一覧より)

資産運用をする時、商品や地域、通貨を分散することで、リスクヘッジをしたいと考える人は多いだろう。外貨預金は、インフレのリスクヘッジとして効果を発揮する。

日本円がインフレによって2倍になれば、日本円の預貯金は価値が2分の1になる。しかし外貨を保有していれば、外貨は日本円のインフレの影響を受けずにすむ。

メリットの多い外貨預金だが、当然リスクもある。代表的なリスクが、為替差損だ。通貨同士の交換レートを為替相場というが、為替相場は常に変動している。日本円を外貨に換えるタイミング、外貨を日本円に換えるタイミングによって、為替差益が出るケースもあれば、為替差損が出るケースもある。

しかし、円高になったとしても、為替差損が出ないよう対処することも可能だ。円高になった時の対処法を知り、為替差損に対して正しい認識を持つようにしたい。

円高になったらどうする ? 3つの対処法とは 続いては、円高になった場合の3つの対処法を具体的に解説していく。

●1.円安になるまで待つ

基本的なことだが、円安になるまで待つという対処法がある。為替相場は常に変動しており、ずっと円高が続くとは限らない。一時的に円高になり、その時点で外貨を日本円に換えると為替差損が出る場合も、じっくり機を待つことで損失を回避できる可能性がある。

日本円より高い金利がつく国の通貨を選択すれば、円安になるまで待っている間でも利息を受け取れることから、長期保有によるメリットもある。

また、長期投資として外貨預金を考えるなら、引き出したいと思うタイミングまで放置するのではなく、円安のタイミングで早めに日本円に換えておくのも効果的だ。

●2.外貨のまま使う

外貨を日本円に換えるからこそ為替レートによって損失が生じることになる。つまり、外貨のまま使えば、損にはならない。外貨預金にある外貨は、プリペイドカードにチャージして、海外で使うこともできる。

プリペイドカードは、クレジットカードのように店頭で使用したり、海外ATMで現地通貨を引き出したり、海外旅行や海外出張の頼もしい味方になるだろう。いちいち両替の手間がかからないのもうれしい点だ。

今はコロナウイルスの流行によって海外旅行や海外出張は難しい状況だが、数年たてば状況は大きく変わるだろう。高い利息やインフレ対策を目的として外貨預金を始める場合、ほとんどの人は長期投資を想定している。外貨をそのまま使うことは、為替差損を生まない対処法として、効果的な選択といえるだろう。

●3.外貨建ての他の商品に変える

円高ならいっそ、外貨建ての金融商品を購入するという手もある。外貨建て保険や外貨建て投資信託など、外貨建ての金融商品にはたくさんの種類がある。

ただし、保険も投資信託も、外貨預金とは異なるリスクを持つ金融商品だ。外貨建ての他の商品を購入する際には、商品の仕組みやリスクを十分理解し、正しい投資判断をするようにしたい。

対処法を知って為替差損のリスクと上手に付き合う

「為替差損が怖いから」という理由で外貨預金をしない人がいる。しかし、すべての資産を日本円で所有していることも、インフレリスクを考慮すれば十分恐ろしいことといえるだろう。

人間は行動を起こすリスクに注目しがちだが、行動を起こさないことで発生するリスクの方がはるかに大きい場合もある。

為替差損について正しい認識を持ち、対処法を学ぶことで、自分にとって最も望ましい形で資産運用をしていくことが大切だ。(提供:大和ネクスト銀行


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