2019~2021年は新型コロナに苦しめられた時代だったが、オミクロン株への置き換わりやワクチン接種などによって、企業を取り巻く状況は変わりつつある。なかでもリ・オープニングによって息を吹き返す銘柄は、投資の大きなチャンスにつながるので、今のうちから狙い目のテーマ株を決めておきたい。

ここではリ・オープニングの影響を受ける銘柄や、今後の動向予測などをまとめたので、2022年のテーマ株を絞りたい方はぜひ参考にしていこう。

リ・オープニング銘柄とは ? 投資戦略としての有効性

2022年のテーマ株 ? 「リ・オープニング」で注目の業界は ?
(画像=moonrise / stock.adobe.com)

リ・オープニング (Reopening) とは、何らかの事情によって停滞していた経済活動が再開することである。2019年末からの日本経済は、新型コロナウイルスの影響によってやや停滞気味であったが、ワクチン接種が進んだことでリ・オープニングの目途がようやく立ち始めた。

そんな中、経済活動再開をきっかけに業績が好転しそうな企業、つまり「リ・オープニング銘柄」が多くの投資家から注目されている。リ・オープニング銘柄の株価は、コロナ禍の影響で停滞や下落を続けていたと考えられるため、投資対象として有効な選択肢になる可能性がある。

成長が一時的にストップした業界に注目が集まる

投資先としてまず注目されているのは、コロナ禍によって成長が一時的にストップした業界だ。このような業界は、コロナ禍以外の問題を抱えていなかったと考えられるので、経済活動が再開すれば一気に成長を加速させる可能性がある。

具体的にどのような業界が該当するのか、以下で一例を紹介しておこう。

環境関連の業界

さまざまな地域にSDGs (持続可能な開発目標) が浸透している今、環境関連の銘柄に注目する投資家は多い。具体例としては、クリーンエネルギーや洋上風力発電、脱炭素に取り組む物流企業などが挙げられるだろう。

なかでも電気自動車 (EV) は、注目されるはずだったタイミングでコロナ禍の影響を受けたため、リ・オープニングによって息を吹き返す可能性がある。

DXの関連銘柄

DX (デジタルトランスフォーメーション) の関連銘柄は、コロナ禍の2020年9月~2021年3月頃にかけてすでに成長している。しかし、その後は半導体不足などの影響を受けて、成長がほぼ横ばいになった企業も見受けられた。

DXは政府も積極的に推進している分野であるため、物流再開や自国生産などによって半導体の供給が安定すれば、業界全体が一気に成長するかもしれない。

航空・レジャー・ホテルの今後は ? 観光業界の将来を予測

リ・オープニング銘柄として見逃せない業界が、コロナ禍の影響を大きく受けた「航空・レジャー・ホテル」だ。日本国内でも緊急事態宣言やまん延防止等重点措置などの影響で、営業を完全にストップした企業・施設などが見受けられた。

今でも経営危機にさらされている企業は存在するが、世界的な動向を見てみると、苦しい状況が打開される可能性はある。例えば、アメリカ・イギリス・オーストラリアの3ヵ国は、ワクチン接種を条件として外国人の入国を受け入れる方針であることを表明した (※2021年9月) 。

また、乗客のワクチン接種を義務化することで、平常時の運行状況に戻そうとする航空会社も少なくない。つまり、世界的には「コロナとの共生時代」に移りつつあるため、この状況が続けば観光業界が復活する可能性も十分に考えられるだろう。

バリュー株とグロース株の動向予測にも違いが

実はバリュー株とグロース株とでは、リ・オープニング後の動向が変わると予測されている。

本来の企業価値よりも株価が低いバリュー株には、景気動向に敏感な特性がある。そのため、リ・オープニングによって景気が回復し、金利が上昇するような流れになれば、バリュー株にとっては追い風となる可能性が高い。

一方で、成長率や株価収益率 (PER) が高いグロース株は、金利が上昇すると投資魅力が低下しやすい (※) 。つまり、多くの投資家が株式を手放すことになるため、リ・オープニングが逆風になってしまう可能性もあるだろう。

(※) グロース株はもともと株式益利回りが低いため、金利上昇局面では株主が別の金融商品へと流れやすい。

リ・オープニングが逆風になる業界はある ?

グロース株以外にも、リ・オープニングが逆風になる業界は存在する。

なかでも注意しておきたいのは、巣ごもり需要による恩恵を受けてきた業界だ。コロナ禍の収束によって自宅時間が減ると、例えば家具メーカーやノートPCメーカー、スーパーなどは売上が落ちる可能性がある。

しばらくは堅調な状態を維持するかもしれないが、巣ごもり需要はいつまでも続くものではない。前述のように、コロナとの共生に向けて動き出した地域・企業も増えているため、特に巣ごもり需要への依存度が高い銘柄は、早めの見限りも検討しておこう。

リ・オープニングは投資のチャンスにつながる

コロナ禍の収束によって経済が動き出すと、各銘柄の株価は大きく変動すると考えられる。そのため、今のうちからテーマ株を絞っておけば、想像以上のビッグチャンスをつかめるかもしれない。

ただし、リ・オープニングが逆風になる業界・企業も存在するため、経済活動再開による影響はしっかりと予測していこう。

(提供:大和ネクスト銀行


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