自然災害は、前触れなく突然発生するものだ。しかし、発生確率の予測情報は事前に知ることができる。例えば地震の場合、私たちはどれくらいのリスクにさらされているのだろうか。

本記事では、最新の地震発生確率値のデータを紹介しながら、万が一に備えて知っておきたいお金周りの知識についても解説する。

最新の「地震発生確率値」はどれくらい ?

最新の地震発生確率はどれくらい ? 万が一に備えて持っておきたいお金周りの知識
(画像=metamorworks / stock.adobe.com)

2024年1月、日本政府の地震調査委員会は長期評価による「地震発生確率値」のデータを更新した。地震発生確率値は対象領域ごとに算出されており、本データを読み解く際には、まず「ランク」の意味を知っておく必要がある。

地震発生確率値の「ランク」の概要

地震発生確率値は「活断層で発生する地震」と「海溝型地震」でそれぞれ算出されている。そして、各4つのランク分けが行われているのが特徴だ。具体的に活断層で発生する地震では、以下のようにランク分けされている。

  • Sランク (高い) :30年以内の地震発生確率が3%以上
  • Aランク (やや高い) :30年以内の地震発生確率が0.1~3%未満
  • Zランク:30年以内の地震発生確率が0.1%未満
  • Xランク:地震発生確率が不明 (過去の地震データが少ないため、確率の評価が困難)

出典:地震調査研究推進本部事務局

海溝型地震では、以下のようにランク分けされている。

  • Ⅲランク (高い) :30年以内の地震発生確率が26%以上
  • Ⅱランク (やや高い) :30年以内の地震発生確率が3~26%未満
  • Ⅰランク:30年以内の地震発生確率が3%未満
  • Xランク:地震発生確率が不明 (過去の地震データが少ないため、確率の評価が困難)

出典:地震調査研究推進本部事務局

「活断層で発生する地震」の発生確率値

まず、活断層で発生する地震では、以下のように評価が行われている。

濃尾 (主部 / 梅原)Zランク
有馬-高槻Zランク
大阪湾Zランク
※2024年1月1日時点の評価

「海溝型地震」の発生確率値

続いて海溝型地震の発生確率値は、以下のように評価されている。

千島海溝 超巨大地震 (M8.8程度以上)Ⅲランク
日本海溝 超巨大地震 (M9.0程度)Ⅰランク
相模トラフ (次のM8クラス)Ⅱランク
南海トラフ (M8~M9クラス)Ⅲランク
日本海東縁部 (M7.5~7.8程度)Ⅰランク
※2024年1月1日時点の評価

海溝型地震では、4つのランクの中で最も高い「Ⅲランク」が2つもあり、不安が募る結果だ。

もしも大地震が起きたら預金の引き出しはできる ?

日本が世界的に見ても地震が多い国の一つであることは、周知の事実だ。2011~2020年のデータを紐解くと、全世界で発生したマグニチュード6.0以上の地震のうち17.9%が日本周辺で起きている。地震が起きることを想定し、防災グッズなどの準備をして備えるほか、お金に関する備えも非常に重要になってくるだろう。

知っておきたい災害救助法

万が一に備えて知っておきたいことの一つに「災害救助法」がある。災害救助法とは、災害が発生もしくは発生する恐れがある段階で、避難所設置などの費用を都道府県や国が負担する制度のことだ。災害救助法が適用されると、被災した住宅の応急修理のほか、食品や飲料水、衣服、寝具などの給与が行われる。適用基準は、住宅が滅失した世帯数などだ。

通帳やカードがなくても預金の引き出しは可能

このほか災害救助法が適用されると、国は金融機関へ「金融上の措置」を要請し、通帳やキャッシュカード、印鑑がなくても預金者であることが確認できれば預金の引き出しを可能にしている。この場合、拇印が印鑑の代わりとなる。近年では、2024年1月発生の能登半島地震や2023年9月発生の台風第13号で適用された。

地震保険はどれくらい役立つ ?

万が一の際は災害救助法での支援が行われるが、一方で地震保険に加入しておくとどれくらい役立つのだろうか。ここでは、一般的な知識を説明する。

地震保険で補償されるケース

地震保険で保険金が支払われるのは、以下のようなケースだ。

  • 地震による火災で住宅が全焼したケース
  • 津波で住宅が流されたケース
  • 地震による山崩れで住宅が倒壊したケース など

地震保険で補償されないケース

地震保険で保険金が支払われないケースとしては、地震が発生した日の翌日から10日経過後に住宅が倒壊したケースなどが挙げられる。自動車も補償対象外で、津波で自家用車が流された場合も保険金は支払われない。

このように地震保険に加入していても関連する被害のすべてが補償されるわけではない。そのため、自ら経済的な備えをしておくことは非常に大切だ。

資産運用で経済的な備えを

経済的に備える方法の一つとして、投資によって資産を増やす「資産運用」がある。もし「まだ何も資産運用を行っていない」という人であれば、この機会に検討してみてはいかがだろうか。例えば円預金より高い金利収入が安定的に得られる外貨預金であれば、インフレ (物価上昇) のリスクヘッジにもなり、為替の動きによっては為替差益を得ることも期待できる。

また、自動的に積み立てが行われる外貨積立であれば、投資タイミングの分散によってリスクを抑えられることから、初心者でも始めやすい。まずは、こうした資産運用から始めてみるのもよいだろう。

(提供:大和ネクスト銀行


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