株式投資の取引のタイミングを見極めるのは簡単ではありません。「底値」と判断して買っても、そこから株価が下落することもしばしばあります。そこで注目したいのが「フォロースルーデー」です。もともとはアメリカで生まれた概念で、米国株投資でよく使われるシグナルです。これから株式投資を始める方も、すでに始めている方も知っておきたい株価の重要シグナル「フォロースルーデー」について、わかりやすく解説していきます。

株式投資は「安く買って高く売る」が基本

株価反発の重要シグナル「フォロースルーデー」とは?
(画像=PIXTA)

株式投資で利益を生むには、株式を「安く買って高く売る」ことが基本です。そのため、ある銘柄の株価が“底値(一定期間内で最も安い株価)”を打ったタイミングで買い、株価が“天井(一定期間内で最も高い株価)”をつけたタイミングで売ることができれば、大きなリターンを得ることができます。

しかし冒頭にも触れたように、株価の底値を見極めるのは非常に難しいものです。底値だと考えて株式を購入しても、さらに株価は下落するかもしれません。そうすれば、含み損(未確定の損失)を抱えてしまうことになります。

●テクニカル分析とは?

株式を買うタイミングを判断する方法のひとつに、「テクニカル分析」があります。テクニカル分析とは、株価の過去の値動きをベースに、将来の値動きを予想する手法のことです。

テクニカル分析で参考にする指標の代表格には、過去一定期間の平均株価を折れ線グラフでつないだ「移動平均線」などが挙げられます。例えば、長期の移動平均線と短期の移動平均線が交差する「ゴールデンクロス」や「デッドクロス」は売買のタイミングを判断する上での“シグナル”として非常に有名です。このほか「RSI」という指標は「買われ過ぎ」「売られ過ぎ」を示し、この指標も売買タイミングを図る際に活用できます。

ただし、テクニカル分析で“買い”と判断できても、「だまし」と呼ばれる想定外の値動きをすることがあります。そのだましを回避するのに役立つのが「フォロースルーデー」というシグナルです。ある取引日がフォロースルーデーと判断されれば、その後も株価の上昇が続くことが示唆されたことになります。そのため、テクニカル分析の中でもフォロースルーデーだけは今回ぜひ覚えておいてほしいと思います。

フォロースルーデーとは?

フォロースルーデーは、一般的に「下落局面から株価指数や株価が反発したあと、数日中に大きな出来高を伴ってさらに上昇する日」と解釈されます。「出来高」とは売買が成立した数量のことです。

フォロースルーデーは米国発祥の概念であるため、日本より米国の投資家によく知られているようです。具体的には、米国株投資で相場全体の動きをつかむために、アメリカの代表的な株価指数である「S&P500」や「NASDAQ総合指数」や、それらの指標に連動するETF(上場投資信託)を分析する手法としてよく用いられています。

では、「日本株にしか投資していない」「日本株にしか投資する考えがない」といった方にとって、フォロースルーデーが全く役に立たないかというと、そうとも言えないでしょう。米国株と日本株が連動することは珍しくありませんし、大きな出来高を伴って株価が上昇したタイミングで「上昇局面に入った」と判断するのは妥当という見方もできます。

株式投資をする際は、参考指標のひとつとして意識してみると発見があるかもしれません。

フォロースルーデーの信頼度は?

一般的に、フォロースルーデーに伴う出来高が大きいほど、このシグナルの信頼度も高いと言われています。しかし、かなりの出来高を伴った株価上昇が見られたとしても、再び下落に転じることはあります。そのため、フォロースルーデーが出たからといって全資金を投資するのではなく、このシグナルが出た日を機に少しずつ投資をしていく、といった慎重さも求められます。

フォロースルーデーは強い反発を示すシグナルではありますが、投資に絶対はないため過信は禁物です。

フォロースルーデーをどう有効活用する?

これまでも触れてきたとおり、株価が本格的な上昇局面に入ったかの判断に困るとき、フォロースルーデーのシグナルを活用できます。その判断が、「買い時」を見極める材料のひとつになるからです。株価が底を打ったように見えても、フォロースルーデーが出るまでは買うのを控える株式投資家もいます。

ちなみに、株価の動きや出来高の推移はチャート情報サイトやチャートソフト、チャートアプリで確認できます。あなたが口座を開設している証券会社でも、チャートを利用可能なサイトやアプリを提供しているはずです。

フォロースルーデーのシグナルに加え、国内外の経済の情勢にアンテナを立てておけば、その後の株価の動向をより予想しやすくなります。それでも100%利益が出ることが約束されるわけではありませんが、多面的に相場を分析することの重要性を覚えておきましょう。

知識を身に付け、情報もタイムリーに仕入れ、勝率アップを目指そう

フォロースルーデーは、株式投資で成果を出すための知識のひとつです。こうした知識をどんどん身に付け、情報もタイムリーに仕入れ、少しずつ株式投資の勝率が上がっていくよう努めましょう。

執筆者:株式会社ZUU

(提供=auじぶん銀行)

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