「国潮」というキーワードをご存じだろうか。中国の自国ブランドの流行を示すワードのことだ。中国株投資においては、「国潮ブーム」の恩恵を受ける銘柄には、投資妙味があるといえるだろう。本稿では、国潮の概要と国潮ブームで注目したい4銘柄について紹介していく。

目次

  1. そもそも「国潮」とは?
  2. 国潮ブームで注目したい4銘柄
  3. 国潮ブームに着目して投資銘柄を選定してみよう

そもそも「国潮」とは?

国潮とは、「中国」と「潮流」を掛け合わせた造語で中国産ブランドを身に着けたり、中国文化を取り入れた着こなしをしたりするトレンドのことだ。カタカナ読みでは「コクチョウ」だが中国語読みでは「グオチャオ」と発音する。主にZ世代と呼ばれる10代後半~20代の若者が国潮ブームのけん引役だ。

こうしたブームの背景には、欧米ブランドに対するボイコット運動や主要な欧米ブランドが新疆(しんきょう)ウイグル自治区における人権問題を指摘し、同地区で製造される綿花の使用を中止し始めていることなどがある。結果、自国ブランドへの回帰を中国政府が推進する動きとなっているのだ。

しかし国潮ブームの背景にあるのは、こうした点だけではなく中国企業の製品力が上がってきている点も見過ごせない。例えばスマホ大手の小米集団(シャオミ)<01810>の製品に対する評価は高く最先端の技能を搭載した製品を低価格で提供することに成功している。

国潮ブームで注目したい4銘柄

2022年も国潮関連銘柄への投資は有力な選択肢の一つといえる。ここからは、国潮ブームで注目したい中国株の4銘柄を各社の事業内容などとともに紹介していく。

  • 小米集団(シャオミ)<01810>
  • 安踏体育用品(アンタスポーツ)<02020>
  • 李寧(リーニン)<02331>
  • 長城汽車(GWM)<02333>

■小米集団(シャオミ)<01810>

前述の通り小米集団は、中国のスマホ大手企業だ。2021年7~9月期の売上高は、780億元(1元18円換算で約1兆4,040億円)で前年同期比8%増を記録している。スマホの出荷台数ベースで2021年7~9月期は、中国市場で4位、シェアは世界市場で3位だった。近年は、収益力が高い高価格帯の製品に力を入れており成功を果たせば業績の向上に大きく寄与するだろう。

また折りたたみ型の機種の発売にも力を入れている。ちなみに小米集団は、2021年3月にスマホメーカーとしてEV(電気自動車)の販売に乗り出す計画を発表。米アップルもEVを開発しているとされるがどちらが先に自社EVの販売にこぎつけるのか注目が集まっている。

■安踏体育用品(アンタスポーツ)<02020>

創業1991年の安踏体育用品(アンタスポーツ)は、一般消費者とプロアスリートの両方に対しウェアやシューズなどのスポーツ用品を展開している。2021年の「独身の日」(中国最大のECセール)におけるスポーツ用品部門の取扱額は第2位にランクイン。1位の米ナイキには及ばなかったものの中国国内での人気は急上昇している。

また中国当局は、2021年にスポーツ産業の発展計画を発表しているため、安踏体育用品の業績にとって追い風要因となりそうだ。

■李寧(リーニン)<02331>

李寧(リーニン)も安踏体育用品と並んで国潮ブームの恩恵を受けている中国のスポーツ商品ブランドの一つだ。前述した「独身の日」におけるスポーツ用品部門の取扱額では、4位となった。李寧の創業者は、1984年に開催されたロサンゼルス五輪の体操競技で金メダルを獲得した李寧氏だ。1990年にブランドを創業しバドミントンやバスケットボール向けの商品などが主力となっている。

海外事業にも積極的だが2018年からブランドロゴに「中国李寧」という漢字を付すようになり、中国市場での事業拡大も意欲的に進めていることが分かる。

■長城汽車(GWM)<02333>

中国の大手民営自動車メーカーである長城汽車(GWM)に対する人気も高い。同社は、SUV(多目的スポーツ車)やピックアップトラックなどが主力商品だ。2022年半ばにオフロードのハイブリッド車の製造をタイでスタートする計画も明らかとなった。完成車工場を相次いで完成させており中長期的な戦略として2025年までに世界販売400万台の約8割をNEV(新エネルギー車)とすることを掲げている。

カーボンニュートラルに向けた動きが加速する中、EVを含むNEVで同社がどこまで存在感を高めていけるか注目だ。

国潮ブームに着目して投資銘柄を選定してみよう

このほか地場系企業としては、以下のような企業も注目度が高い。

企業名 読み方 コード 企業概要
上海家化聯合 シャンハイ・ジャワ・ユナイテッド 600315 トイレタリーや化粧品のメーカー
北京同仁堂 ペキンドウジンドウ 600085 北京に本社を置く漢方薬企業

中国における国潮ブームは、2022年も継続する見込みだ。本記事で紹介した企業をウオッチリストに加えて投資対象として検討してみてはいかがだろうか。

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