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決済系スタートアップというジャンルをご存知でしょうか?

昨日の記事で、国内の決済系スタートアップのピッチイベントの参加報告をさせて頂きました。
特に日本では、金融分野でのITの利用促進はもっと進むべきだといわれていますので、この様な 決済系スタートアップ の登場はとても望ましいですね。

参考: 【イベント参加報告】決済系スタートアップが語る「テクノロジーと決済の未来」

ところで現在、金融とITの両方でトップクラスであるアメリカを中心に、金融×テックの新サービスが続々と誕生してきています。
そしてその結果、新たなサービスの利用方法も様々な形で模索され、 今まででは考えられなかったような変化が、社会に生み出されるようになりました。

その様な事例の一つとして、本日は スクエア というアメリカの決済系スタートアップが、 米国大統領選挙に与えた影響 についてお届けします。


◯スクエア:手軽なカード決済の導入サービス

皆さん、 スクエア という金融サービスはご存じでしょうか。
2010年の5月にアメリカにて登場した、スマートフォン等のモバイル機器とフリーソフトを使用して、 クレジットカードの決済システムを簡単に導入 出来るサービスです。ツイッターの共同創業者、ジャック・ドーシー(Jack Dorsey)氏が考案されました。 決済系スタートアップの雄といえる存在です。
(昨日の記事で紹介した Coiney のサービスととても近い内容です。)

AppleのiPhoneでも、GoogleがOSを提供するAndroidでも決済端末として利用可能であり、利用するフリーソフトは、AppleのiTunes Storeや、GoogleのAndroidMarketでダウンロードが可能です。

導入方法ですが、希望者はまずスクエアのウェブサイトでアカウントを作成し、自分の銀行情報を入力します。すると、無料のクレジットカード読み取り装置が届き、これを所持するモバイル端末に接続することで、カードの読取り器となりクレジットカード決済を導入出来ます。

ちなみ利用者(店舗側)が支払う手数料ですが、取引1件当たりの手数料は、装置による自動読み取りの場合は決済金額の2.75%に加えて15セントとなります。そして、カード番号をタイプして入力した場合は、決済金額の3.5%に加えて15セントとなるとのことです。


◯決済系スタートアップが米国大統領選挙へ与えた影響

今月(2012年11月)の6日、アメリカではオバマ氏が選挙戦を制し、大統領に再選されることが決まりました。

アメリカの選挙戦というと、マスメディアを大きく巻込んでの 派手なキャンペーン合戦 を思い浮かべる方も多いかもしれませんね。
しかし、ソーシャルメディアの浸透が進んだ現在、アメリカの選挙戦ではマスメディアを用いた大掛かりなキャンペーンではなく、 草の根のキャンペーンによる支持の拡大が重要になった といわれています。

その流れの中にあって、このスクエアの登場も、 以前では考えられなかったシーンにクレジット決済を導入 し、大統領選挙に影響を与えることとなりました。

今回の米国大統領選挙では、民主党のオバマ大統領陣営が、スクエアを活用して小口での個人献金を募るという選挙戦術に出たのです。
(アメリカでは近年、たとえ小額でも個人献金の積み重ねが、選挙に大きな影響を与えるようになってきたといわれています。)
それに対して、対立候補であった共和党のロムニー氏も、この動きに追随します。これにより、各陣営の選挙ボランティアは、街角でスマートフォンを片手に各候補の支持を訴えるとともに、同時に小額の個人献金を募るこということを行うようになりました。