9日の東京株式市場は、米国株が上昇したことで、日本株についてもリスクオンの流れとなり、日経平均株価は前週末比109円31銭高の1万6216円03銭で取引を終えた。前週末に発表された米4月雇用統計で非農業部門雇用者数が市場予想を下回ったものの、平均時給の増加や、利上げ時期が後ずれするとの見方から米国株市場が上昇した。個別銘柄では、決算内容が悪かったベネッセホールディングス <3591> が20%超の大幅下落となった。
10日の東京株式市場は、麻生財務相による円高けん制発言により、ドル円相場で円安が進んだため、投資家心理が改善しただけでなく、外需関連銘柄を中心に買いが入った。日経平均株価は、前日比349円16銭高の1万6565円19銭で大引けとなった。
11日の東京株式市場は、前日の大幅高の反動から、利益確定の売りが多く出たものの、好決算を発表した銘柄を中心に買いが入ったことで、日経平均株価は、前日比13円82銭高の1万6579円01銭で取引を終えた。個別銘柄では、好決算を発表した清水建設 <1803> が上昇したものの、決算発表を控えたトヨタ <7203> は、ポジションを調整する動きから売られた。
12日の東京株式市場は、決算で大幅減益の見通しを発表したトヨタ <7203> が大幅安となり、その他企業も巻き込んだ業績懸念から朝方は大幅安となったものの、トヨタが下げ渋ると投資家心理も改善した。日経平均株価は、前日比67円33銭高の1万6646円34銭で大引けとなった。個別銘柄では、日産 <7201> が出資するとの報道から三菱自動車 <7211> がストップ高比例配分となった。
13日の東京株式市場は、特別清算指数(SQ)算出に絡む売買から上昇して始まったものの、週末要因や、決算発表を控えていることなどからポジションを調整する動きが顕著となった。日経平均株価は、前日比234円13銭安の1万6412円21銭で週の取引を終えた。個別銘柄では、今期の営業減益見通しを発表したニッスイ <1332> が大幅安となった。
今週の株式展望
今週注目される経済指標は、17日の米4月住宅着工件数、米4月鉱工業生産・設備稼働率、18日の1-3月期GDP、19日の米4月CB景気先行総合指数、20日の先進7か国財務相・中央銀行総裁会議、米4月中古住宅販売件数などである。決算関連では、16日に森永乳 <2264> 、電通 <4324> 、三菱UFJ <8306> などが予定されている。
今週の株式市場、最も注目すべきはG7である。日本の政府要人から円高けん制発言の発言が相次いでいるものの、会議で通貨安競争が議論となり、回避の方向で話が進めば、介入に動くことが困難な状況となる。その場合、円高に進みやすいと考えられるため、その思惑から円高が進み、日本株にも影響を与える可能性があるだろう。ただ、1-3月期GDPの結果から、第2次補正予算編成に対する期待が高まる可能性もあるため、方向感は見えにくい状況である。
また、テクニカル面は、週足ベースのボリンジャーバンドは、日経平均株価のローソク足がマイナス1σ付近であり、週足14週のRSIは、50%程度と、割安感、割高感ともにない状態だ。
以上を考慮すれば、週の前半は補正予算への期待感から上昇するものの、その後は、G7への警戒感からやや売られる流れが想定されるため中立で考えるのが妥当だろう。(ZUU online 編集部)
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