7月の失業率は3.0%と、4ヶ月ぶりに低下した6月(3.1%)から更に低下した。強い人手不足を感じている企業の採用活動により、女性や高齢者の労働市場への参加による、労働力人口の増加を吸収し、雇用はしっかり増加してきた。

労働市場は確実に改善へ

非労働力人口が減少、失業者も減少、そして就業者が増加するかなりよい形になっている。有効求人倍率は、トレンドとしてしっかりとした上昇を続け(7月は1.36倍と6月から変化なし)、企業の採用意欲は強い。

6月までに求職者数は4ヶ月連続減少しているが、求人数は3ヶ月連続増加しており、企業の雇用者の獲得が徐々に難しくなってきているようだ。パートタイムの賃金上昇などの労働条件の改善もあり、7月は求職者が増加に転じたが、求人数も増加し、有効求人倍率は横ばいを保った。

失業率は賃金上昇が始まる平均的な水準である、3.5%を明確に下回り始めている。賃金上昇が1%程度の物価トレンドに結びつく形は、既に完成していると考える。しかし、政府・日銀が目指す2%の物価上昇が安定的になるためには、失業率が3%を明確に下回り、2.5%を目指す展開になっていかなければならないだろう。

政府・日銀の協業で2017年に失業率3%以下も見えてくる

物価の安定を1%程度とみれば自然失業率は3.5%前後、2%程度まで加速を許せば自然失業率は2.5%前後になると考えられる。構造的に3%台より下には失業率は下がらない、という意見もみられるが、財やサービスを求めた行列が多くみられるわけでもなく、限界点は3%よりかなり下にあると考えられる。

失業率がこれより下がらないことを論拠に政府の経済対策(8月2日に事業規模28兆円程度・財政措置13兆円程度の対策を閣議決定)の効果を疑問視する意見もあるが、実際のところ2%の物価上昇を達成するためには、更なる需要の回復と2.5%程度への失業率の低下が、必要であるようだ。

グローバルな景気・マーケットの不安定感は続いており、これまでの企業の積極的な雇用拡大に見合う需要と収益がついてこなければ、これからの労働市場の持続的な改善は見込めないばかりか、一転してリストラが再発するリスクも出てくることになってしまうリスクがある。

政府・日銀のしっかりとした政策対応がなされ、アベノミクスが再稼動したという認識が企業にも浸透し、2017年には失業率は3.0%を明確に下回り、総賃金の強い拡大がデフレ完全脱却への動きを再加速させていくと考える。

会田卓司(あいだ・たくじ)
ソシエテ・ジェネラル証券株式会社 調査部 チーフエコノミスト

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