第三者委員会には郷原弁護士も名を連ねた
不祥事がからんだわけでもないが、今回、第三者委員会が設立されている。これは異例だ。設立目的は双方の対立や確執が生じている原因や経緯について中立的あるいは客観的な立場から調査や検討を行うものである。
しかし必要な提案や助言を行うために設立された第三者委員会のヒアリングに対し、創業家側の協力は得られなかったことから、報告書は対立の原因に踏み込めることはできず、これまでの経緯の記述にとどまっている。
創業家側の言い分としては「中立性に疑念がある」というもの。協力的でなかった理由としては、経営陣側と大戸屋HD顧問を務めていた郷原信郎弁護士が委員長になったこともあるかもしれない。
今年6月23日、東京都新宿区のホテルで開かれた定時株主総会は、取締役選任議案では11人中8人が新任、監査役も4人中3人が辞め新任は2人ということもあってか、異様な雰囲気に包まれていたという。
創業家側にしてみれば「乗っ取り」である今回の騒動だが、現経営陣は少なくとも歩み寄りの姿勢を見せている。いずれにせよ依然として創業家側が2割近い議決権を握る筆頭株主である状況に変化はない。しかし総会でも、創業家側は人事案に反対を表明していたにもかかわらず、一度も発言に立たず最後まで沈黙を貫いたという。その後智仁氏は「準備が整い次第、独自の人事案を会社側に提案する」意向をメディアに語っている。
大戸屋HDは既存店の売上高が今年8月までの4カ月連続で前年を下回った。9月28日には取締役2人が辞任している。果たしてこの騒動はどのような形で収まるのだろうか。(ZUU online編集部)
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