がんと診断されると、住宅ローンがタダになる
死亡という最悪の事態に備えながら、保険料を抑える方法を説明しましたが、まだ不安なことがあります。
それは、がんになった時の収入に対する不安です。あるいは心筋梗塞や脳卒中などの大きな病気で、入院生活が長くなったケースです。
生命保険では、三大疾病保障保険や7大疾病保障特約などがあります。しかし、それらは保険料が結構高いです。保障金額を同じにして比較すると終身保険より三大疾病保障保険のほうが高くなります。
でも、住宅ローンと保険料の両方払うのも負担が大きくなりますよね。
そこで注目したいのが、団信の特約です。団信には、がん保障特約や8大疾病保障特約がついているものもあります。
カーディフ生命の例を使って説明しましょう。
がん団信は、がんと診断されたら、残ったローンの残債はすべて肩代わりして貰えるのでゼロになります。がんと診断されて、これからいったいどうなるのか不安でいっぱいになっているところですが、住宅ローンの心配がなくなるだけでも、精神的な負担の軽減につながります。
次に8大疾病保障特約の内容を見てみましょう。
がんは、前述のがん保障特約と同じです。脳卒中、急性心筋梗塞は所定の状態が60日以上継続した場合に住宅ローンの残高がゼロ円になります。高血圧症、糖尿病、肝硬変、慢性腎不全、慢性膵炎などで就労不能状態になった場合もローン残高がゼロになります。
ちなみに、カーディフ生命のがん保障は、夫婦一緒に住宅ローンの借り入れをした場合(連帯債務)、主契約者(たとえば夫)だけではなく、連帯債務者(たとえば妻)ががんと診断された場合もローン残高がゼロになるサービスをはじめました。
がん保険をタダで契約することができる?
気になるのは保険料です。団信の三大疾病保障特約の保険料をみていきましょう。
団信は契約形態が変わっていて、契約者が金融機関で、被保険者が住宅ローンを借りる人となります。契約者(金融機関)が保険料の負担をするので被保険者(住宅ローンを借りる人)は、住宅ローンの上乗せ金利が保険料代わりとなります。
つまり、各金融機関で上乗せ金利が違ってくるのです。通常、上乗せ金利は0.3〜0.1%です。しかし、中にはなんと0%という金利負担ゼロの金融機関もあります。
負担ゼロでがん保険に入ることができれば、別に保険料を支払ってがん保険などに入る必要はなくなります。これはかなりお得です。
たとえ、0.2%の金利上乗せでも、仮に借入金額が2000万で35年、ローン金利が1%なら、月の返済額は58340円になります。上乗せ金額は1883円です。0.1%の場合は937円です。これなら、それほど大きな負担ではないと思います。
住宅ローンを考える場合、団信の内容によって金融機関を選ぶのも一つの方法ですね。
長尾義弘(ながお・よしひろ)
NEO企画代表。ファイナンシャル・プランナー、AFP。徳島県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務。1997年にNEO企画を設立。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生み出す。著書に『コワ~い保険の話』(宝島社)、『こんな保険には入るな!』(廣済堂出版)『怖い保険と年金の話』(青春出版社)『商品名で明かす今いちばん得する保険選び』『お金に困らなくなる黄金の法則』(河出書房新社)、『保険ぎらいは本当は正しい』(SBクリエイティブ)、『保険はこの5つから選びなさい』(河出書房新社発行)。監修には別冊宝島の年度版シリーズ『よい保険・悪い保険』など多数。
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