人工知能の技術を使ったビッグデータ分析サービス「EIセンチメント」を活用し、日経平均株価の変動に影響を与えた市場心理を探る「EIセンチメント + ZUU online サーベイ」。今週のキーワードトップ10を紹介する。
EIセンチメントは、エコノミックインデックスが独自のビッグデータ分析サービスとして提供するもので、日経平均のように日々変動する数値指標に対して、あらかじめ指定したキーワードが同一期間にTwitter上で出現した回数との相関を解析し、数値指標の変動要因を明らかにする。
それではトップ10キーワードと影響力を見てみよう。同社が算出したデータをもとに、ZUU online編集部で「なぜそのキーワードの影響力が高かったのか」を検証してみた。
上値突破を地力にするには教育・労働問題を解決すべし?
順位 | キーワード | 影響力 | 出現回数 |
---|---|---|---|
1 | 教育 | 22.08 | 23,698 |
2 | ハロウィン | 16.22 | 110,249 |
3 | 労働 | 15.60 | 22,075 |
4 | 貯金 | 10.63 | 7,319 |
5 | 大統領選 | 10.00 | 3,560 |
6 | アラブ | 5.92 | 2,326 |
7 | 知事 | 4.21 | 35,139 |
8 | バイト | 4.19 | 82,838 |
9 | 相続 | 4.18 | 1,307 |
10 | コンプライアンス | 3.93 | 336 |
(データ提供= エコノミックインデックス )
今週の日経平均は先週と変わって週初から上昇、金曜日には利益確定の動きもあって下げたものの、9月末以降続く上昇基調を維持する格好となった。
20日(木)には5月末以来の上値を突破し、その上昇トレンドを受けたキーワード「教育」が今週のトップスコアとなった。
話題になっていたのは、18日(火)に沖縄で起きた大阪府警・機動隊員の差別的発言に対する“人権教育”の問題、当日のニュースとなった“教育困難校”の問題と、どちらもネガティブな文脈であったところは残念である。
同じ木曜日に現れた「貯金」と「相続」は、“最高裁が遺産相続における預貯金分割の判例を見直し”というニュースが2つのキーワードを横断した。同日の「コンプライアンス」は先週に続き、電通の過労自殺を発端とした労働局による是正勧告という話題がスコアを取った。
前日の19日(水)に高スコアとなった「労働」は、前述の過労自殺・長時間労働に先行する形で現れたが、“残業削減”という対策に関する話題が中心となった。
18日(火)の「ハロウィン」も先週から続き、今月末の一大イベントに向けた各種キャンペーンの告知や反応に加え、コスプレの準備状況といった話題の盛り上がりがスコアを高めた。
日経平均が下げた21日(金)は、以下4つのキーワードが高い相関を示した。
「大統領選」では話題を提供し続けるトランプ氏への言及が中心だったが、“選挙戦に対する若者の不満足”を表す世論調査の結果や“トランプ氏の選挙資金の少なさ”といったニュースなど、いずれにしても選挙後の不安が現れる格好となった。
「知事」は定番の都知事ではなく、前述した大阪府警に関連して大阪府知事の発言が注目を集めた一方で、同日の14時過ぎに発生した鳥取地震に対応する県知事の動向を報じるニュースが拡散した。
「アラブ」では特に大きなニュースは見当たらないものの、“アラブBL”なるボーイズラブ系コンテンツの話題から、ハロウィンの仮装候補のようなトレンドが見受けられた。
4つ目の「バイト」は、通常の求人関連や“バイト行ってくる”といった日常のつぶやきが主体ではあるものの、19日(水)にあった“人手不足でバイト時給高騰”のニュースに付随して、10月スタートとなった社会保険の適用拡大に関する話題も散見された。
せっかくの上昇基調だった今週だが、官製相場と言われる中での円安・株高を補完するような明るいセンチメントが中心とは言い難い結果となった。しかし100件を超えるキーワードを見渡すことで、リアルな社会の空気から先行指標のヒントを見出せるのではないだろうか。(ZUU online編集部)
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