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(写真=PIXTA)

東京オリンピック開催までマンション価格は上昇し続けると思われていたが、残り4年となった今、すでに天井に達したようだ。今後マンション市況がどうなっていくのか、東京オリンピックによる影響を踏まえて注視していく必要があるだろう。

マンション市場の推移

東京カンテイが2016年9月に発表したデータによると、首都圏中古マンション価格は相変わらず上昇しているものの、都区部では前月から横ばいになっている。

一方、新築マンションの供給は、不動産経済研究所のデータによると首都圏が前年同期比19.8%減、都区部は22.1%減となっており、都内中心部に陰りがみえる。

図1

ここで、マンションの着工数をみてみよう。

全国のマンション着工数をみると、2010〜2012年度までは増加しているが、2013年度と2014年度は減少している。2015年度に一旦増加したものの、2016年度になると再び減少しているのだ。

また、首都圏のマンション着工数をみてみると全国の50%以上を占めており、2009年度から2012年度にかけて右肩上がりに増え、2013年度に前年比で6.4%減少している。

さらに東京都にしぼってみてみよう。

東京都の整備局が発表した2016年8月の資料をみると、一戸建ては2015年同月比9.9%増で5ヵ月連続の増加となっている。一方、マンションの新築着工数は、2015年比49.3%減で3ヵ月連続の減少だ。都心3区では更に減少率が高く、2015年同月比40.2%減、都心10区で9.5%減と共に2ヵ月連続で減少している。

これらのデータから、現状では東京都区内における建設ラッシュが天井に達しているといえそうだ。

※都心3区:千代田区、中央区、港区
都心10区:千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、台東区、墨田区、江東区、渋谷区、豊島区