新鮮な旬の素材で勝負 「パスタならジョリーパスタ」

ジョリーパスタが消費者を引き付ける魅力はどこにあるのか。各店舗では、ビザの取り扱いもあるが、中心となるのはパスタ。トマトソース、クリームソース、ミートソース、和風、ぺペロンチーノ、プレミアムの6つのカテゴリーの味をベースにした商品を展開している。価格は「ボローニア風ミートソース」が590円(税抜き)とリーズナブルな一皿から、贅沢な素材をふんだんに使用した「ずわい蟹と大エビのクリームソース」(1190円・税抜き)など本格的なパスタも楽しめる。

また、日替わりのランチメニューも充実させ、平日は580円(税抜き)でパスタを提供する。さらに、小さな子供連れでは敬遠しがちなイタリアンだが、ファミリー層の利用を取り組むべく子供向けメニューも充実。通常商品の半分の量のスパゲッティに加え、ゼリー・ドリンクバーも付いて390円(税抜き)のお手頃価格で好評だ。

定番商品は根強い人気を維持するが、外食産業では労働需給バランスの悪化などが原因で、経営環境は引き続き厳しさが待ち受け、ジョリーパスタも例外ではない。この苦境に立ち向かうべく、「パスタならジョリーパスタ」をテーマに掲げ、専門店ならではの豊富な品揃えと、旬の食材を贅沢に使った季節限定メニューを投入。11月からは、「広島産牡蠣のクリームスープパスタ」、「ずわい蟹のスープパスタ~オマール海老のビスク仕立て」「黒ゴマ坦々スープパスタ」の冬のスープパスタ3商品がラインナップに登場。寒さが日ごとに増すこの時期にぴったりな、体が温まる一品にそれぞれ仕上げ、下期の勝負に挑む。

慎重な出店計画で堅実な成長維持

厳しい経営環境が続く外食産業にとっては、売上高アップの1つの方法として、新規店舗の出店攻勢をかける戦略もしばし取られるがが、ジョリーパスタの出店計画は腰を据えたスタンスだ。

1971年に山口県徳山市(現周南市)に第1号店をオープンして以来、中国、九州地方を中心に店舗網を広げ、96年には200店舗、2000年には300店舗まで拡大したが、その後は拡大路線から一転。16年9月末時点の店舗数は226店舗と、ステーキハウスのジョリーオックス1店舗となっている。全国27都府県に進出を果たしているが、空白エリアもまだまだ存在する。

2017年3月期第二四半期では、新規出店は2店舗、撤退は1店舗となり、店舗数はプラス1店舗となった。大規模な出店攻勢で勝負するのではなく、効果的な販売促進を通して、ブランディングの強化を図り、売上を伸ばしている。それを示すように、既存店の売上高は、前年比で4.4%増と着実に結果を残した。

ジョリーパスタの快進撃は、特定のメニューが爆発的にヒットしたり、店舗数の拡大が寄与したりしたものではなく、既存の店舗でのマネジメントを着実に遂行してきた結果だ。また、パスタ専門店として、ファミレスなどライバル外食産業から差別化し、その存在感を消費者にアピールすることで、厳しい競争に打ち勝ってきた。この堅実な戦略でどこまで突き進むことができるか、ジョリーパスタから当面目が離せそうにない。(ZUU online 編集部)

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