昨日も忘年会で少し出かけましたが、株式市場が大きく上昇しているということで市場関係者は皆元気という感じでした。終わり良ければ総て良しということで堅調な地合いが続くことも期待されますが、さすがに目先的な過熱感も強く、そろそろ(と何度も言っていますが)調整となっても良いところです。
もういいだろうと思っている向きも多く、信用売り残もなかなか減らないという感じですが、東京電力 <9501> がストップ高となったのにはびっくりしました。自分の記憶では1986年9月以来ではないかと思いますが、トヨタ <7203> や東京三菱 <8306> の「逆日歩」といい、「異常事態」となっていることには違いなさそうです。江戸時代の米相場で言われた「呆れ果てたる値が出れば、それが高下の境なりけり」ということになりそうです。因みに、1986年に東電がストップ高した後は5日目に「かぶせ線」を形成し、急落、途中戻りはあったものの「元の木阿弥」という水準、上昇する前よりも安い水準までの調整となりました。
米国株高を受けて買い先行となりそうですが、さすがに週末の手仕舞い売りもあって上値も重くなりそうです。対ユーロで円高になっており、対米ドルでも円高が進むようであれば、急騰となっていた後だけに手仕舞い売りに押されることになるのではないかと思います。これまで買われていたものが手仕舞い売りに押されて、売られていたものが買われるかどうかということになりそうです。
18,500円乗せどころか、一気に19,000円水準を試すような勢いです。ただ、さすがにここまで来たことでの反動もありそうで、いったんは18,000円水準までの調整はあっても良いと思います。19,000円を伺うことになれば、達成感や目先的な過熱感から調整となりそうです。
本日の投資戦略
依然として堅調な地合いとなっています。もう1カ月以上「もういいだろう」と言い続けている感じで、一昨年の12月というよりは「アベノミクス」の始まりである2012年や2013年の12月の雰囲気になってきました。ただ、当時のような高揚感があるわけでもなく、さすがに年内に一度は、あるいは年明けからは調整となる場面もあると思います。
為替の動きはさすがにドル高一服となってきており、輸出企業の収益上方修正期待も一服となってきそうですし、対新興国通貨という意味では円高に振れているので、輸出企業がすべてメリットがあるということでもなく、逆に円安、原油高、原材料高ということでデメリットが出てくる企業もあるのでしょうから、指数もさらに上昇が続くということでもないと思います。
清水 洋介(しみず ようすけ)
証券経済アナリスト。大和証券、ソシエテジェネラル証券、マネックス証券を経て投資情報サービス会社「ピクシスリサーチ」を設立 (現・
アルゴナビス
)、「チャートの先生」「投資のプロ」として、講演やセミナー活動を活発に開催。テレビや雑誌などでも投資についての解説、講義なども行っている。
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