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(画像=東京電力エナジーパートナーWebサイトより)

2017年4月のガス小売り全面自由に向け、東京電力も関東地方を中心に、家庭向け都市ガス市場に参入すると表明した。参入時期は来年7月。電力会社のガス事業への参入については、関西電力や中部電力は既に表明している。東電傘下、東京電力エナジーパートナーの小早川智明社長は、2000万件の電気顧客にアプローチし東京ガスからの切り替えを狙っているという。

東京ガスは26日に記者会見を開き、広瀬道明社長は「エネルギー業界も大競争時代に突入する」と述べている。すでに電力は16年4月に販売が自由化されているが、これで電力とガスの垣根を越えた競争が厳しくなりそうだ。

ガスの自由化は段階的に進められてきた

ガスの自由化は経済産業省主導で進められてきた。1995年、ガス消費量が多い大規模工場を対象に自由化がスタート。自由化の範囲を99年、2004年、07年と拡大し2017年4月、家庭向けに全面自由化が行われる事になった。

ガス管は今ある物を利用し家庭までガスを供給するが今後は自由にガス会社を選べるようになる。大のメリットはガス料金が安くなる事だが加えて多種多様なライフスタイルに合ったサービスも選べるようになる。

電力小売りの自由化と比べ動きは鈍い

東電は、電力小売りでも提携している日本瓦斯に、ガス器具の保安業務を委託することも発表している。現在の日本瓦斯の都市ガス契約数は32万件。東電の初年度目標は4万件。2社合同で19年度に100万件の契約を目論みガス小売りの共同出資会社の設立も協議しているようだ。

関西電力は大阪ガスの供給地域で岩屋産業と提携して供給、中部電力は東邦ガスの供給地域で5年間に20万件の獲得目標、九州電力は西部ガスに供給地域の約80万件を対象に販売と、いよいよ互いの領域への進出は4月から始まる(東電は来年7月)。

電力会社にとっては、電力自由化により異業種に奪われた売り上げを取り戻すチャンスとなるが、新規参入事業者の動きは鈍いようだ。電力の自由化では350社超に達した参入だが、理由は「ガスの調達コストや保安義務に不安の声が強い」(経産省幹部)ためとの見解だ。日本総合研究所創発戦略センターの瀧口信一郎シニアスペシャリストは、「液化天然ガス(LNG)基地を持っている大手電力以外の参入はハードルが高い」と指摘している。

企業同士の提携も増加

電力小売りの全面自由化では、大手電力から新電力会社へは約188万件の切り替えがあったとされ、奪取した新電力首位の東京ガスは、現時点で50万件超。大阪ガスも約23万件の申し込みがあったと言われている。

電力の全面自由化では、東京ガスは目標として、ガスと電力のセット販売で現在の約130万kWを2020年までに首都圏需要の約1割(約300億kWh)に販売量を拡大することを掲げている。大阪ガスも、再生可能エネルギー含めて発電能力を国内外で合わせて600万kWに拡大する見込む。

関西電力は液化天然ガス(LNG)の世界的な販売も考え、国内外で総合エネルギー事業者として、BPシンガポールと運搬や販売で協力関係を強化しビジネスを開始している。フランスの電力・ガス大手のGDFスエズ(エンジー)とLNGの運搬などで提携する予定だという。

中部電力と大阪ガスは米国でのシェールガスの液化・輸出事業に共同で参画しLNGの生産・輸出基地をテキサス州に建設する計画だ。

これらはほんの数例だが、2017年のガス完全自由化のタイミングで、従来の業種を超えた様々な動きが表面化、活発化しそうだ。(ZUU online 編集部)

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