メディア,新聞
(写真=PIXTA)

茨城県南部の地方紙「常陽新聞」が3月31日をもって休刊となる事が発表された。購読者数の伸び悩みが主因とリリースされており、新聞社の厳しい現状が映し出されている。中でも地方新聞社の置かれている状況は一段と厳しいものとなっている。

立て直せなかった常陽新聞

実は常陽新聞は2013年8月に一度廃刊に追い込まれている。その時はユナイテッドベンチャーズ株式会社というコンサルティング会社を経営していた楜澤悟氏が、新会社を設立し、常陽新聞のブランドを買い取った。楜澤氏は社長に就任し、現在まで常陽新聞の発行を続けてきた。

一度は危機を救った楜澤氏でも常陽新聞を完全に立て直すことは出来なかった。常陽新聞の展開エリアはつくば市、土浦市を中心とする茨城県南部エリアで、人口約106万人、約41万世帯をターゲットとしていた。楜澤氏は発行部数1万部と日本新聞協会への復帰を目標としていたが、発行部数は3000~4000部程度に留まり、広告料収入も期待の金額とは程遠かったようだ。毎月数百万円の営業損失が出ていたとリリースされている。

御膝元であるつくば市は人口増加が続いており、常陽新聞はこの流入世帯の取込みを目論んでいた。しかし、つくば市の人口流入は県外出身者で都内へ通勤を行う層に支えられており、地域密着を謳う常陽新聞はあまり受け入れられなかったようである。

地方紙が置かれている現状

常陽新聞に限らず、新聞市場を取り巻く環境は厳しいものとなっている。日本新聞協会の公表しているデータを見ると、2016年の新聞発行部数は前年より約100万部減っており、2004年以降減少の一途を辿っている。2004年と比べると、発行部数が約2割減っているのである。特に近年はパソコンやスマホで手軽にリアルタイムのニュースを見る事が出来る為、若い世代を中心とした新聞離れが指摘されており、数字でも減少のスピードが加速している事が見て取れる。また、日本は総人口でも減少局面にある為、今後も厳しい環境は続いていくと見られる。

地方紙にはより一層厳しい現実が突き付けられている。地方都市と首都圏の人口格差が広がっている為である。首都圏は人口流入が続く一方、人口流出が進む地方都市も多くある。地域での人口格差が広がっていく中で、人口流出が続く地域の地方紙は非常に経営が厳しくなっていくと見られる。実際に常陽新聞だけで無く、他にも近年で廃刊となったと地方紙はいくつもあり、今後廃刊する地方紙が出てきてもおかしくない状況にある。

全国には現在100紙近くの地方紙があり、どの地方紙も地域密着を謳っている。今後は地域から人が離れていく中で、地域密着は当然として、如何に購読者数を維持するかの戦略を立てる事が出来るかが、地方紙の生き残りに関わってくる。(ZUU online編集部)

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