地銀,合従連衡,みなと銀
(写真=PIXTA ※画像はイメージです)

関西圏にエリアを展開する地方銀行3社が、ふたつの都市銀行グループのリードで統合に向けての協議が開始された。昨今の消費の伸び悩みや金融ビジネス環境の変化により、苦戦を強いられる地方銀行にとって、新たなビジネスモデルになるのか注目される。

都市銀行を巻き込む地方銀行の大きな決断

2017年3月3日にりそなホールディングス、三井住友フィナンシャルグループおよび、みなと銀行、関西アーバン銀行、近畿大阪銀行の神戸、大阪を拠点とする地銀3行が来春の経営統合に向けて基本合意したと発表した。

目的はマイナス金利や競争の激化など金融ビジネス環境の変化に対応するために、経営基盤の大きな新たなビジネスモデルを構築するというごく一般的な経営統合に見える。

しかし、この経営統合には今までとは違った注目すべきふたつの大きな特徴が存在する。そのひとつ目は、3行が異なるグループに属する銀行だということ。みなと銀行と関西アーバン銀行は三井住友フィナンシャルグループ、近畿大阪銀行はりそなホールディングス傘下の銀行だ。そして、3行は新たな統合グループを形成し、基本的にはりそなホールディングスの傘下に設立された中間持株会社の完全子会社になる。

それでは、みなと銀行、関西アーバン銀行は、りそなホールディングスの完全子会社になるのかというと、そうではないらしい。設立される中間持株会社は、りそなホールディングスが議決権の過半数を有する連結子会社となるが、三井住友フィナンシャルグループも20%以上を出資し、持分適用会社になる。つまり経営には口を出しますよ、という訳だ。

みなと銀行の独立性を担保する経営統合

ふたつ目は、3行がひとつの統合会社になるのではなく、統合グループを形成することだ。

大阪を拠点とする2行(関西アーバン銀行と近畿大阪銀行)と神戸を拠点とするみなと銀行の立ち位置の違いを尊重し、無理に合併はしないというもの。大阪を拠点とする2行はお互い競合する部分が多く、合併を前提とした協議が始まっている。

しかし、みなと銀行は「兵庫県における県民銀行としての地位を確立しているので、独立した経営を確立してもらう」とりそなホールディングスの東和浩社長が明言した。

合併となれば店舗の統廃合は必死だが、みなと銀行は店舗の廃止もないという。

3行統合の今後の予定は、2017年9月末期頃までに最終契約を締結し、2018年4月の開業を目指すというもの。これが実現すると店舗数は現在379(開業後は未定)、総資産11.4兆円(地方銀行グループ第6位)の規模を有する日本有数の巨大地銀グループの誕生となる。

また基本方針にうたわれている「従来の地方銀行の枠を超えた、新たなリテール金融サービスのモデル」となり、地方銀行ネットワークの再編成の動きに拍車をかけるかもしれない。

しかしながら、まだ基本合意の段階なので、りそな、三井住友という都市銀行グループの思惑や、複雑になりそうな経営形態、従業員対策などまだまだハードルを超えなければならない問題も多くある。今後の動きに注視する必要がありそうだ。(ZUU online 編集部)

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