日高屋,高収益
(画像=Webサイトより)

安くて気軽に食事できる日高屋は、ラーメン好きの学生や若い社会人の味方だ。「熱烈中華食堂 日高屋」の名前を聞いたことがない人は少ないのではないだろうか。

日高屋を運営する、ハイデイ日高 <7611> とは、創業者の出身地である埼玉県日高市の、「デイ(日)」「ハイ(高)」と、高揚(ハイ)する日(デイ)という意味をこめている。

ハイデイ日高は、デフレの勝ち組として、今期予想を含めて14年連続で過去最高益(経常利益)を更新する見込みの優良企業だ。配当性向も25%以上を目処としており、11期連続で増配している優良企業だ。

デフレの勝ち組「日高屋」

16年度の外食売上ランキングを見ると、ラーメンをメインに提供している大手上場企業では、リンガーハット <8200> 、幸楽苑 <7554> 、ハイデイ日高 <7611> がある。国内店舗数では、リンガーハットが627店(16年11月末)、幸楽苑が527店(16年12月末)、ハイデイ日高が396店(16年11月末)と店舗数でもトップ3だ。

日高屋の中心メニューは「中華そば」390円、「餃子」210円と、デフレ時代の優等生の価格設定。さらにビールの「生中」が310円。ラーメン、餃子、ビールの超定番コースで、1000円でお釣りが来る。幸楽苑も、「あっさり中華そば」390円、「餃子」200円、「生中」450円とちょうど同じクラスをターゲットにしている。

高収益が際立つハイデイ日高

ハイデイ日高が店頭市場(現・ジャスダック)に新規上場したのは1999年。バブル後のデフレの真っ只中だった。その後、デフレ下ながらも低価格を売りに業績を順調に伸ばしはじめ、2004年2月期以後、過去最高益を連続更新している。

05年には東証2部に、06年には東証1部に指定替えした。連続最高益が始まる前の03年2月の売上は89.1億円だった。今期予想の売上は392.0億円。14期連続で最高益を更新する間に売上は4.4倍に成長した。

ハイデイ日高のすごさは外食でありながら営業利益率が10%を超えることだ。外食業界は価格競争も激しく、人件費や原材料費もかさむため、本業の利益を示す営業利益率が10%を超す企業は、ハイデイ日高や「かつや」のアークランドサービスHD <3085> などほんの一部だけだ。

同業他社と比べても、リンガーハットが今期の予想営業利益率は7.3%、幸楽苑は0.2%(今期は異物混入事件の影響を受けるが前期実績でも2.3%)とハイデイ日高の利益率の高さが際立っている。

その理由は、自社工場で一貫製造していること、ロードサイドの大型店などにこだわらず駅前繁華街一等地で長時間営業をしていること、麺だけでなく多彩なメニューを提供することで客層が広く、「ちょい飲み」ニーズも取り込めていることなどが上げられる。出店は、首都圏1都3県に集中しており、配送コストも効率がいいと想定される。

今期は「ちょい飲み」ニーズを取り込み既存店のマイナスを補う

17年2月期第3四半期決算(3−11月)は、売上が前年同期比4.7%増の286.8億円、営業利益が同4.1%増の37.1億円と、さすがのデフレの勝ち組も消費低迷の影響で伸び悩んでいる。

8月既存店2.3%減、9月1.8%減、10月1.4%減と夏から秋にかけて天候が悪かったこともあり特に苦戦した。11月以降はまた前年比でプラスに戻しており、今期の既存店売上は3月ー1月までで0.1%増とプラスは保ってはいるものの、デフレでも伸び続けている状況ではなくなっている。

そんな状況を救ったのが「ちょい飲み」需要。客数は減ったが、軽いつまみを食べながらの「ちょい飲み」で、客単価が上昇した。特に、好採算のサワーやハイボールの比率が高まった。 今後も関東中心の出店で、現在の396店舗から600店舗までは可能だと会社は試算している。

連続最高益・増配の企業は、NISAなどの長期投資でも検討されやすい。ハイデイ日高の株価は、99年のIPO時287円。2016年高値の2822円までは9.8倍の上昇となった。年間パフォーマンスでみても、連続最高益の起点となった2003年以降15年で、年間で下げたのはリーマンショックの2009年と2011年と2016年だけ。株価においてもデフレの勝ち組だった。(ZUU online 編集部)

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