ノンアルコールビール,ノンアル
(写真= Syda Productions /Shutterstock.com)

今では様々なメーカーから多種多様なノンアルコールビールが発売されており、ドライバーはノンアルコールビールを飲むのが定着しているが、実際のところノンアルコールビールはどのくらい飲まれているのだろうか。

マイボイスコムが2017年1月ネット調査にて1万1248件の回答を得た、ノンアルコールビールに関する調査によると、ノンアルコールビールの飲用者は3割弱。頻度としては月に1回未満の飲用者は16.4%、月に1回が2.8%、月に2~3回が3.2%、週1回が3%、週2~3回が2%、週4~5回が0.7%、ほとんど毎日が1%という結果となった。

よく飲まれている銘柄としては、「オールフリー」「ドライゼロ」「キリンフリー」が上位3位となった。

71%の人がノンアルコールビールをまったく飲まない

調査結果ではノンアルコールビールの飲用者は3割弱であったが、非飲用者は全体の7割を超え、71%もの人がノンアルコールビールをまったく飲まないという結果となった。飲用者でも月に1回未満が16.4%となり、両者を合わせると、全体の9割近くがノンアルコールビールを全く飲まない又は月一回未満しか飲まないということになる。

この結果をみるとノンアルコールビールは意外と飲まれていないように思われる方も多いかもしれない。しかし、ノンアルコールビールの歴史がわずか8年で全体の3割近くが飲用者であることを考えると、驚異の数字であるとは言えないだろうか。

実は近年ビール市場は出荷量減少に苦しんでいる。ビール大手5社が2017年1月に発表した2016年のビール類(ビール、発泡酒、第3のビール)の国内総出荷量は4億1476万ケース(1ケースは大瓶20本換算)となり、前年比2.4%減と12年連続で過去最低を更新している。

ビール離れが進み、12年連続で出荷量が過去最低を記録するなど苦境に立たされているビール業界だが、実はノンアルコールビールだけは例外だ。

サントリーが発表しているノンアルコール飲料に関する消費者飲用実態調査の中のノンアルコール飲料レポート2016によると、ノンアルコールビールの市場はほぼ年々右肩上がりで増加を続けており、2016年も3735万ケース1ケースは大瓶20本換算)と過去最高を更新すると推定している。2008年には250万ケースであったことを考えると凄まじい成長率である。

ノンアルコールビールの躍進は続く

非飲用者が7割を超えるということは、市場拡大に伸びしろがあるということでもある。事実、ビール業界が苦境にあえぐ中、ノンアルコールビールは毎年市場が拡大し続けており、今後も更なる躍進が期待できるのではないだろうか。

ノンアルコールビール自体にも様々な工夫された製品も登場している。ノンアルコールビールの中でも健康に気を遣う人向けの特定保健用食品いわゆるトクホの認可を受けた商品や、機能性表示食品制度に対応した製品も登場している。

他にも女性向けにコラーゲンを配合したノンアルコールビールを発売するメーカーがあるなど、各社工夫を凝らしノンアルコールビールの開発をおこなっている。

ビール業界としては今後酒税の一本化が検討されるなど、業界を取り巻く環境は慌ただしくなりそうだが、ノンアルコールビールの市場はそういった外部環境に左右されず、今後も成長することが期待できる。

意外と歴史は新しい

ノンアルコールビールの歴史は実は意外と新しい。以前からアルコール分1%未満の商品は存在したが、多量に飲んでしまうと酔いも回ってしまいノンアルコールビール本来の目的であるアルコールの摂取を抑えることができない。アルコール分1%未満のノンアルコールビールでも多量に飲み過ぎた場合、飲酒運転になる可能性もあった。

ビール業界でもこれまで1%未満であったノンアルコールビールではなく、全くアルコール分が含まれないノンアルコールビールの発売を検討し、2009年4月にアルコール分0%の製品が初めて発売された。つまりアルコール分がまったく含まれていないノンアルコールビールの歴史はわずか8年程。今後の各社のノンアルコールビール製品に注目したい。(右田創一朗、元証券マンのフリーライター)

【編集部のオススメ記事】
「信用経済」という新たな尺度 あなたの信用力はどれくらい?(PR)
資産2億円超の億り人が明かす「伸びない投資家」の特徴とは?
会社で「食事」を手間なく、おいしく出す方法(PR)
年収で選ぶ「住まい」 気をつけたい5つのポイント
元野村證券「伝説の営業マン」が明かす 「富裕層開拓」3つの極意(PR)