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Written by 濱田優 7記事

データ利活法も主導

自民党のIT・フィンテックのキーマン平井議員インタビュー「フィンテックの法律はセキュリティ・バイ・デザインでつくる」<前編>

ビットコイン,自民党,IT政策
(写真=FinTech online編集部)

自民党IT戦略特命委員長の平井卓也議員(当選6回、香川1区)は、昨年のデータ活用推進基本法の成立の立役者だ。同法は、AIやIoTなどを法律で初めて規定している。ビットコインなどの仮想通貨を例にとるまでもなく、法律の規定がないもの、前例がないものについては行政の動きは鈍い。その意味で、こうした法律をつくることはAIをはじめとした各種最新技術をより広く使えるようにするために不可欠。立法府に身を置く議員なのだから当然という指摘があるかもしれないが、大きな一歩であることは間違いない。フィンテック議連の会長も務める平井氏に、今後のフィンテック、IT関連政策の展望を聴いた。(聞き手:濱田 優 ZUU online編集長)

※このインタビューは2017年2月14日に行われました。

セキュリティ・バイ・デザインの発想で法律もつくる

――フィンテック分野での今年の動きを概観すると、7月からビットコイン取得時の消費税がかからなくなります。これで問題視されていた取得時と使用時とでかかる二重課税がようやく解消されます。

ビットコインについて党で議論したのはもう数年前ですが、当時は経済産業省も金融庁も所管することに積極的ではありませんでした。それで結局、仮想通貨でもない物でもない“価値記録”ということになって、消費税がかかることになりました。

その後、FATF(ファトフ、マネーロンダリングに関する金融活動作業部会)が各種の勧告を出したり規制ガイダンスを明らかにしたりする中で、金融庁もやっと重い腰をあげました。そうして昨年改正資金決済法が可決され、ビットコインなどの仮想通貨の財産的価値が認められましたが、以前はビットコインは何かいかがわしいもののように思われていましたからね。

――マウント・ゴックスの事件の影響は大きいですね。

そう。その影響でセキュリティに対しても不安を持っている人もいるでしょうが、忘れてはいけないのは、いまだにビットコイン自体のブロックチェーンは破られていないということです。

今では、メガバンクまでもが海外送金のコストダウンに仮想通貨を使おうという考えになってきています。テクノロジーの進歩に、従来の縦割り行政、既存の法体系、考え方がついていけていない時代になっています。

――今振り返ってみて、議論の過程で一番大変だったところはどこですか。

前例のないもの、世の中に存在していなかったもの、法律で定義しづらいものに関しては役所は及び腰になるという点ですね。

――平井議員は昨年12月に施行された官民データ活用推進基本法も主導されました。

これは、国と地方自治体、企業が保有するデータを相互に効果的に活用し、事業の創出や、便利な社会づくり、国際競争力の強化などを目指す法律です。この法律で初めて、AIやIoT、クラウドコンピューティングというものを法律で定義しました。

またこの法律の意義として大きいのは、データの利活用という点だけではなく、デジタルファーストを入れた点でしょう。単にアナログをデジタルにするというにとどまらず、いろいろな技術を使って、対面・書面の原則をなくすということです。

――データの利活用については流出が怖いといった指摘、反対意見が挙がります。

自分が最近いろんなところで強調しているのは、「デジタルファースト」であると、「セキュリティ・バイ・デザイン」ということです。これはシステムを構築する際に、最初の企画の段から居から、セキュリティ対策を組み込む考え方です。

そして「ヒューマンセントリック」。人間中心にいろんなサービスを組み直すという考え方です。たとえば何らかの手続きをするときに何度も役所に足を運ばなくちゃいけない。マイナンバーを導入した目的は住民票そのものをなくそうということなのですが、住民登録しておけば、紙のコピーを持って役所に出向きあちこち歩き回らなくていい。たとえばそういう社会をつくることが、将来少子高齢化、人口減少というハンデを乗り越えて国家として繁栄するための基盤だと思うのです。

フィンテックの分野では、今以上にバンキングがいろんな他のサービス業と連携することによって、社会の利便性は高くなるはずです。いろいろなフィンテックサービスが生まれていますが、最後は国民が一番支持するものが勝つ、要はヒューマンセントリックなサービスを提供したところが生き残っていくでしょう。

「AIが人間の仕事を奪う」といわれる中で

――最近は「生産性」という言葉が注目されているように思います。テクノロジーの進歩はこれをさらに押し上げてくれますね。

OECD加盟国中の日本人の1人当たりの名目GDPは1996年に世界第3位でしたが、それからずっと順位を下げて2015年には20位。2016年度版の労働経済白書によれば、日本の実質労働生産性は38.2ドルで、OECD加盟の主要国であるフランスの60.8ドル、ドイツの60.2ドル、米国の59.1ドルと比較すると半分近いわけ。

でもこれは逆に伸びしろが大きいとも見ることができるのですよ。データ利活用とかAIとかフィンテックで生産性は相当上げられるのじゃないかと思います。

――AIが高度化することで人間が仕事を奪われるという指摘もあります。

まず前提として日本では生産労働人口が減っていくので、豊かな社会をキープするためには、仕事のやり方を変え、生産性を上げなければいけません。

働き方改革で注目されるのが、高齢者と女性です。そのポテンシャルは他の国に比べて高いと思うのです。それなのに日本は生産性が低い。ということは仕組みが悪いということ。つまり働く仕組みさえ変えれば、仕事がなくなるというネガティブな視点ではなく、もっと効率的に自分の能力を発揮できる社会になる、というふうに僕はポジティブに受け止めています。

――法律や仕組みをつくっただけでは社会はなかなか変わりません。具体的に高齢者や女性も働きやすい社会になるためには、どういうことが必要でしょうか。

やはり流動性を高めるということだと思います。今、コンビニでも70歳を超えて働いている人がたくさんいます。長時間は働けなくても、接客は素晴らしい。それで売り上げも増えている店もあります。

日本語がうまい外国人の店員もいますが、全員ではない。それに店員が高齢者だと、高齢者のお客も行きやすくなるみたいなのですよね。

あとは医療や介護、保健分野。保育士、介護士、看護師、歯科衛生士には女性は多いですが、月曜から金曜まで、朝から晩まで働くのは嫌だけど、週何時間か自分の都合で、自分の資格や能力を使いたいという人がいます。

そういう働き方ができるようにする。自分たちで自分の働き方を決めていけるようにすべきなのです。兼業禁止を掲げている企業もありますが、そういう考え方もなくなっていくのじゃないですかね。

一企業に終身雇用されるという時代は終わって、自分の能力を見極め、自分の時間や能力をどう使っていくかを考える人たちが増えてきていると思います。

――流動性を高めるべきだという議論では、必ず解雇規制緩和とセットで批判してくる人もいると思います。

時代の変化のスピードが早いので、かえって流動性がないとリスクが高いでしょう。企業だって業種をピボットして生き残っているところは結構あります。そのことに気がついている企業は、テレワークをどんどん進めるとか、すでに雇用形態や働き方を社会、時代に合ったものにしています。

後編に続く

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