日本一広いテーマパーク、ハウステンボス(長崎県佐世保市)が2017年3月25日、グランドオープンから25年を迎える。九州を代表する観光地として人気を博しているが、四半世紀の間には経営破綻により会社更生法が適用されるなど様々な出来事もあった。

国内でヨーロッパ旅行の雰囲気を味わえると好評

ハウステンボス,周年,会社更生法
(写真=PIXTA)

1992年3月25日にグランドオープンしたハウステンボスは、創業者である神近義邦氏の指揮の下、オランダの本物の街並みにこだわったテーマパークだ。

ディズニーランドの約2倍である152万平方メートルに及ぶ敷地には、オランダ王室の宮殿を忠実に模したパレスハウステンボスやユトレヒトにそびえ立つ教会の鐘楼ドムトームンなども再現した。

全長約6キロメートルの運河も造り、敷地内には250戸もの分譲住宅を建設した。実際に人が住むことで本当の街並みを再現するためだ。その為に街の地下に上下水道や空調、熱供給などのライフラインを3.2キロメートルにわたって埋設した。

新聞報道によると総工費は2200億円。花が咲き乱れ、風車が回り、運河やオランダの街並みが忠実に再現されるなど、とことん本物を追求し準備万端でオープンを迎えたかに見えたハウステンボスだが、その後時代の波に翻弄されることとなる。

国内にいながらにして、ヨーロッパ旅行の雰囲気を味わえることが好評を博し、開業初年度の入場者数は375万人に達した。しかし1992年3月25日のオープンの前年、1991年から日本のバブル経済崩壊が始まっていた。

ハウステンボスの再建

開業初年度の入場者数が375万人に達し、幸先の良いスタートを切ったかに見えたハウステンボスだが、バブル崩壊の影響が襲い掛かる。ハウステンボスでは開業後も1995年にはハウステンボスJR全日空ホテル、96年にはホテル日航ハウステンボスなどの場内ホテルを新設した。その他にも場内での結婚式用に挙式会場のオープンや、JRAの場外馬券場であるWINS佐世保をオープンするなど様々な取り組みをしてきた。

残念ながらバブル崩壊には勝てず、営業赤字を垂れ流し続け、2003年には会社更生法適用の申し立てを行うに至った。負債総額は約2289億円となり、九州では宮崎県のシーガイアを運営していたフェニックスリゾートの負債総額約3261億円に次いで、2番目の大型倒産となった。

ハウステンボスの再建にあたっては、約20社が支援に名乗りを上げた。最終的に支援元になった野村ホールディングスのベンチャーキャピタルである野村プリンシパル・ファイナンスは新規海外客誘致強化を打ち出した。その一環として敷地内に外国人向けの各種娯楽設備やレストランを新たに設置した。2007年には中国人観光客向けに銀聯カードの取り扱いも開始した。

2004年からスタートした再建策が功を奏し、入場者数も年々増加する事となる。いよぎん地域経済研究センターの調査によると、2005年のハウステンボスの入場者数は195万人であったが、2006年には214万人、2007年には219万人と年々増加した。しかしまたしても

2007年にはサブプライムローン問題が表面化し、2008年にはアメリカの投資銀行であるリーマン・ブラザーズ証券が破綻したことをきっかけリーマンショックが発生し、世界経済が低迷した。経営再建中であったハウステンボスもその影響を受け、いよぎん地域経済研究センターの調査によると、2008年にはハウステンボスの入場者が187万に激減し、2009年には141万人となった。その影響から2009年ついに支援企業であった野村プリンシパル・ファイナンスは撤退を決定する。

エイチ・アイ・エスによる再建

支援企業として名乗りを上げたのがご存知の通りエイチ・アイ・エス <9603> だ。エイチ・アイ・エスの澤田秀雄社長の指示の下、東洋一のイルミネーションが場内を彩る「光の王国」やロボットがホテルの従業員として働く「変なホテル」、プロジェクションマッピングなど様々な施設やイベントを新設していった。

その結果九州を代表する観光地として再び有名となる。直近のハウステンボスの決算をみても、2015年9月期決算では、純利益66億円、2016年9月期決算でも熊本地震の影響もあったが、27億円の純利益を出し、見事に黒字経営に成功している。25年間で2度の挫折を経て成長し続けるハウステンボスだが、挫折を経るごとに進化し続けている。これからのハウステンボスの動向にも注目していきたい。(右田創一朗、元証券マンのフリーライター)

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