株式投資については、資金が増えてきたら一度に複数の銘柄を売買したり、より株価の高い銘柄の中からさらなる有望銘柄を探したりして、売買先を広げていくようにします。ここでは、株価30万円以下の銘柄に投資対象を広げ、会社四季報を参考にしながら、勝負銘柄を紹介したいと思います。

(本記事は、JACK氏著『0円から2億円を稼いだJACKさんのお金の増やし方入門 単行本 』スタンダーズ (2017/4/27)の中から一部を抜粋・編集しています)

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30万円以下の勝負銘柄に投資対象を広げるポイントとは

お金持ち
(写真=PIXTA)

投資対象選びのポイントは、基本的には変わっていません。

(1) 配当がある
(2) 優待がある
(3) 利益が増えている
(4) 借金が少ない
(5) 現在の株価位置

1銘柄の投資金額が増えているということは、それだけ株価の下落余地(下値不安)があるということでもあります。そのリスクを軽減するために、(1)の配当があることや、(4)の借金が少ないことに重点を置いていきます。

買った株が値下がりしても、配当金の金額が変わらなければ、配当利回りは上昇することになります。業績がよく、借金が少ない会社ならば、いきなり減配などが行われることは考えにくいという判断をしています。

大暴落に備えて金ETFを活用する

ここまで紹介してきた金融商品の多くは株でした。これで資金が増やせていたとしたら、場合によっては100万円以上の資金を株で運用している……ということも、もしかしたらあるかもしれません。

確かに、推奨銘柄を買うことで徐々に配当金や株主優待を獲得できるようになっていきます。しかし「上げ100日、下げ3日」(登り百日、下げ十日)という格言からもわかるように、何か大きなショックなどが発生すれば、株価はあっさり大暴落します。すると、それまでの値上がり益はもちろん、数年分の配当金や株主優待などの利益など、すぐに吹き飛んでしまう恐れがあるのです。しかも、そのまま株価が戻らず、含み損を抱えてしまったとなると、立ち直れないほどのストレスを抱えることになりかねません。

私の前著「1万円を1年で100万円に!はじめての人の株式投資生活」(ぱる出版)では、インバース型のETFの購入を紹介しました。インバース型のETFは、日経平均株価やTOPIXなど、対象の指標が下落すると逆に価格が上昇するETFです。これを購入しておけば、株価が暴落した時のヘッジ(リスクを減らすための行動)とすることができます。

本書ではもうひとつ、2017年から私自身が実践しているヘッジ手法を紹介したいと思います。それはずばり金(Gold)に対する投資です。

金は昔から「有事の金」とも呼ばれており、何かしらの危機が起きたり、経済が不安定になったりすると買われる傾向があります。過去のチャートからも、国の財政破たんや米ドルの流通量増加がみられたときには、金価格も上昇しています。

株は会社が破たんすれば会社の解散価値しか残りません。為替も発行する国の信用がなくなれば大暴落します。しかし金はあくまで商品として、そのものの資産価値があります。品質も劣化せず、現金同様の価値があるとみなすことができます。ですから、非常事態があっても資産を残せる安全資産だと考えらえます。ただし、株と違って配当金や株主優待のようなものはありません。

では、その金をどのようにして購入すればよいでしょうか。急に現金が必要になったときに換金しやすいことや、現物が手元にある安心感を得られることを考えると、現物を購入するのが一番だと考えています。金の現物(コイン・地金)は、貴金属店で直接購入できるほか、電話注文などにも対応しています。

しかし、盗難のリスクもないとはありません。それを防ぐために保管費用をかけるのはまだ厳しいでしょう。さらに、購入・売却時の手数料や、500g未満の地金を買った時にかかる地金交換手数料などがかさむため、あまりおすすめできません。純金積み立てができる貴金属店もあります。現物を買うより少額からはじめられますが、年会費や保管料などがかかるケースもありますし、管理にも相応に時間がかかります。

こう考えると、金に投資するETFを買うのがもっとも手っ取り早いでしょう。金ETFの値動きは金の価格の推移に準じるため、株暴落時のヘッジに利用できます。これまで使ってきた証券口座で、自分の保有する株の量と比較しながら売買できるのが利点です。

『0円から2億円を稼いだJACKさんのお金の増やし方入門』スタンダーズ (2017/4/27)画像をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします
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購入するETFの着目ポイント3つ

購入するETFは、次の3つの点に着目して選んでいます。

(1)日々の出来高が多いかどうか

市場で取引が成立した株の数を出来高といいます。出来高が多いほど、売買が活発に行われていることを示します。出来高が少ないと、そもそも「このETFを売ろう」と考えても、誰も買ってくれない恐れがあります。もし売ることができないまま、価格がどんどん下がってしまったらヘッジにならないどころか、損失を被る可能性があります。したがって、それなりに出来高がある方が無難です。

出来高にはいくらあれば大丈夫、という基準はありません。同種の銘柄の出来高を調べて、相対的に多いほうを選ぶといいでしょう。

(2)金現物(金地金)を購入しているか

金ETFには、金現物を購入しているETFと、金価格に連動する債券などに投資するETFがあります。どちらがいいかといえば、それは金現物を購入しているETFでしょう。金現物を購入しているETFは、実際に持っている金が何よりの信用となるため、倒産のリスクも比較的少ないと考えられます。

(3)信託報酬は安いか

信託報酬とは、ETFや投資信託を運用している会社が徴収する手数料です。ETFの純資産のなかから、毎日一定割合の信託報酬が引かれています。手数料ですから、当然安いほうがいいということになります。

信託報酬が安いと、その分純資産が大きくなりやすいということもできるでしょう。資産をさらに投資に回し、成長のスピードを上げることができるかもしれないからです。

JACK(ジャック) 個人投資家
バーテンダー、予備校講師、サラリーマンと多彩な職歴を歩む傍ら、IPO(新規公開株)を中心に2億円近くまでの資産を稼ぐ。

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