◉源泉徴収の実務と手取額


源泉徴収される人(報酬をもらう人)は、支払われたお金の10%程度が既に国に納付されているということですね。

例えばコーディングやデザインなどのお仕事で100万円の報酬を貰う場合、10%の10万円が差し引かれて、90万円を手取りでもらうことになります。
(取引先がきちんと税金の手続きをしている限り、少なくとも、そうなっているはずです。)

(ちなみにより正確には、報酬を受け取る職業の区分によって、この実務は若干の違いがあります。より詳細を知りたい方は国税庁の「 報酬・料金等の源泉徴収事務 」をご覧ください。)

さて、そもそもどのような仕事や職業の場合に源泉徴収されるかということは、きちんと法律で定められています。

国税庁のホームページの「 報酬・料金等の源泉徴収事務 」の説明には、「次の1から8までの表に掲げる報酬・料金等の支払をする者は、その支払の都度それぞれ次の表に掲げる額の所得税を源泉徴収しなければなりません(所法204、205)」と記載があり、その「1から8まで」の仕事や職業への支払いは源泉徴収しなくちゃいけないよ、ということになっています。

読んでみると分かりますが、原稿の作成やデザイン、また技術指導、他、いわゆる「士業」は全般が該当し、などかなり多くの職業が含まれています。

◉確定申告の意味


一方、お金をもらっている個人には所得税という税金が課せられます(源泉徴収されているものも内容は所得税ですが)。会社等の従業員は、会社が、所得税について計算してくれて毎月の給料から差し引かれ、年末調整できちんと確定して調整する、という作業をしてくれています。

当然、フリーランスの方や、副業をされている方の副業分の収入は年末調整など行われず、自分で確定申告をすることになります。

例えば、デザインの仕事をして年間400万円の契約を貰っている方は、年収400万円で10%分の40万円が源泉徴収されて、1年間の手取りは360万円となっているはずです。

源泉徴収は国が税金を取りっぱぐれないための制度だと説明しました。本当は確定申告をしないといけないのですが、40万円分の税金は既に支払っていることになるので、もし確定申告を忘れてしまったとしても大変なことにはならないかもしれません。年収がもっと多ければ話は全く変わってきますが、国も人間が対応していますから労力には限界があり、いちいち一人一人まで捕捉していられません。

詳しい数字は存じませんが、もしかしたら申告をすっぽかしてしまっている方も多くいらっしゃるかもしれませんね。