◉関心をもたれる事の多い経費申請
所得税という税金は、業務報酬については必要経費を差し引いた後の「所得」に対して税金が掛かります。
必要経費というのは、事業のために直接要した費用であって、例えばエンジニアの方でしたら、ソフトウェアやPCなどのハードウェア、仕事を行う場所代、通信費、資料代とそれなりに営業上の支出もあるのかと思われます。
売上の10%が源泉徴収されていて、所得税は「売上」から「経費」を差し引いた「所得」に対して掛かる税率(所得額に応じて異なる)によって決まるので、所得税の金額は、「売上」を基準として算出する源泉徴収されている金額とは異なることとなります。
そのため、源泉徴収額は確定申告によって自分の所得税の額と調整することになります。
源泉徴収と税金(所得税)の関係は下記の図のようになっています。
収入と経費がどのようになっていると、確定申告により納付または還付になるのかというのを具体的なイメージでご理解頂くため、下記の表を作成しました。
横軸が収入で、縦軸が経費の金額です。例えば、収入300万円の場合に200万円の経費を使っていたなら、還付額は25万円になるという表です。表は、それぞれの収入の10%から源泉徴収額から各所得に応じた所得税を差し引いた金額が掲載されています。
この表をご覧頂けば分かると思いますが、だいたい、それなりに経費を使っていれば、還付になりますね。 表では、年収700万または800万で経費100万円の時だけ、還付ではなく追加で納付することになるという計算結果になっています。
なお、自分自身やそのスキルを商品とするビジネスの全般に言えることですが、収入が多くなるにつれ比例的に増える経費というのは通常は多くないため、収入が多くなるほど確定申告によって源泉徴収分に追加で納付となる可能性は高くなりますが、収入が数百万の場合は、確定申告により還付を受けられる可能性が高いであろうと一般論として言えることであります。
◉経費申請の注意点
ただ、この経費の申請を行う上で気をつけたい事が2点あります。
まず一つ目は、当然ですが、
何でも経費として認められる訳では無い
という事です。
例えば自宅兼仕事場としてマンションの部屋を借りている場合、
家賃の全てが経費になる訳ではありません。
部屋の総面積のうち、仕事場として活用している部分の割合を求め、月々の家賃の内事業に用いたと思われる分のみが経費として認められます。また仕事で必要な衣装でも、作業着やユニフォームなどは経費として認められますが、
税務署の見解の慣例としてはスーツは経費として認められません。
そしてもう一点は、
それなりの金額で経費が認められて、税金が安くなったとしても手元に残る現金は少なくなってしまうという事です。
経費が認められたという事は支出を伴います。有用な出費なら良いのですが、変に節税が目的になってしまし、要らぬ無駄遣いはしない用に心がけたいものですね。
BY ASK
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