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(写真= Kent Sievers/Shutterstock.com)

バフェット氏の代表的な投資実績

前回【第1回】では製薬会社への投資実績について解説したが、今回【第2回】では大手銀行への投資実績について解説する。過去数年は大規模な救済投資は鳴りを潜めていたが、バンカメの投資によってウォレット氏の救済投資が健在だと世に知らしめることにもなった。

直接自身の投資に役立つ内容かどうかは微妙だが、投資家として、このような大規模な投資事例は知っておいた方が視野が広がるだろう。

普通株へ転換で年間3億3600万ドルの配当を期待

米著名投資家、ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイが、出資先であるバンク・オブ・アメリカの配当引き上げにあたり、所有している優先株を1株7.14ドル(約801円)で普通株7億株に転換した。

ワラント(株式買取権)付きの優先株はバークシャーが2011年、バンカメの資金救済に乗りだした際に50億ドル(約5614億円)で取得したもので、執行にあたり実質上バークシャーがバンカメの筆頭株主となったオーレンバフェット。

発表前日(6月29日)のバンカメの株価は終値で24.32ドル(約2730円/CNBC調査) をつけており、単純計算するとバークシャーの所有株は170億ドル(約1兆9087億円)相当の価値があることになる。すでに投資した50億ドルを差し引いても120億ドル(約1兆3473億円)の紙上利益(未回収の利益)だ。

バンカメは6月に結果が発表されたFRB(米連邦準備理事会)のストレステスト (健全性審査)に、JPモルガン・チェース、ゴールドマン・サックス、シティと共に合格。第3四半期の配当を1株当たり7.5セントから12セント(約7.9円から13.5円)に引き上げた。

かつてバンカメの筆頭株主は、2017年7月3日時点で6億5240万株を所有していたバンガード・グループだった。バンカメは取締役会で、2016年7月から2017年6月にわたる50億ドル(約5614億円)の普通株買戻しも承認した。

バンカメを株価暴落の窮地から救ったバフェット氏