米著名投資家、ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイが、出資先であるバンク・オブ・アメリカの配当引き上げにあたり、所有している優先株を1株7.14ドル(約801円)で普通株7億株に転換すると発表した。

ワラント(株式買取権)付きの優先株はバークシャーが2011年、バンカメの資金救済に乗りだした際に50億ドル(約5614億円)で取得したもので、執行にあたり実質上バークシャーがバンカメの筆頭株主となる。

普通株へ転換で年間3億3600万ドルの配当を期待

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(写真= Kent Sievers/Shutterstock.com)

発表前日(6月29日)のバンカメの株価は終値で24.32ドル(約2730円/CNBC調査) をつけており、単純計算するとバークシャーの所有株は170億ドル(約1兆9087億円)相当の価値があることになる。すでに投資した50億ドルを差し引いても120億ドル(約1兆3473億円)の紙上利益(未回収の利益)だ。

バンカメは6月に結果が発表されたFRB(米連邦準備理事会)のストレステスト (健全性審査)に、JPモルガン・チェース、ゴールドマン・サックス、シティと共に合格。第3四半期の配当を1株当たり7.5セントから12セント(約7.9円から13.5円)に引き上げると発表した。

ロイターの報道 によると、バークシャーは優先株の配当よりも3600万ドル(約40億4208万円)増となる、3億3600万ドル(約377億2608万円)という巨額の年間配当を得ると期待できる。

現時点におけるバンカメの筆頭株主は、6億5240万株を所有するバンガード・グループだ。バンカメは取締役会で、2016年7月から2017年6月にわたる50億ドル(約5614億円)の普通株買戻しも承認している。

バンカメを株価暴落の窮地から救ったバフェット氏

バフェット氏は2011年、金融危機(2008年)の後遺症を残すバンカメに5億ドルを投じ、普通株7億株を1株当たり7.14ドルで取得できる権利を10年間の行使期間 と共に獲得した。バンカメ側には、5%のプレミアムを支払うという条件で、累積敵永久優先株の買戻権が与えられた。
当時バンカメは金融危機の引き金となった住宅ローン担保証券(MBS)の不正販売などをめぐり、起訴による資本不足の懸念から株価が大暴落していた。

バークシャーの出資の受け入れはバランスシートの改善は勿論、市場での評価回復にも大きく貢献した。見返りとしてバークシャーは年間3億ドル(約 336億8400万円)の配当を得た。

米投資アドバイザリー会社、ヘンリー・H・アームストロング・アソシエイツ のジェームス・アームストロング社長は、「(バークシャーは)わずか数年で100%のリターンを叩き出したことになる」と、バフェット効果に感銘の意を示している。

最終的にバンカメが司法省に支払った和解金は、過去最大の約170億ドル(約1兆9087億円)と言われている。

「最後の貸し手」の異名復活か?

バフェット氏は同じく今年6月、カナダの住宅金融会社、ホーム・キャピタルの株の38%を4億加ドル(約 346億3828万円)で取得して筆頭株主となるなど、お得意の「救済投資」の勘を取り戻し始めたようだ。

金融危機直後にはゴールドマン・サックスやゼネラル・エレクトリックにも出資 を行い、「最後の貸し手」との異名をとったバフェット氏だが、長引く低金利環境の煽りを受けて効率的に利益を生みだす投資先が減少。バフェット流の大型救済投資は久しく影を潜めていた。

近年、バンカメを含むバークシャーの出資先が精力的に普通株の買戻しに乗り出しているが、バフェット氏はこうした動きを「株価を押し上げる」 と歓迎している。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)

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