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ファストリ決算より

好調「ユニクロ」今後の課題は? 海外が国内を逆転しそう

小売り・アパレル業界が注目したユニクロを展開するファーストリテイリング <9983> の2017年8月期第3四半期の連結決算が発表され、営業利益が対前年同期比で23.9%増の1806億1800万円と好調な業績を示した。

大手企業の夏のボーナスが5年ぶりに減少するなど、小売り業界を取り巻く厳しい環境の中でしっかりと結果を残した。しかし、通期での業績予想には手を付けず、従来予想のまま据え置いた。好調な決算を支えた要因と、今後の成長のカギを探る。

ユニクロ海外事業が業績をけん引

ユニクロ,ファーストリテイリング
(写真=Thinkstock/Getty Images)

決算の詳細をみると、売上収益は前年同期比3.0%増の1兆4779億5800万円、利益は67.6%増の1285億7300万円となった。直近の17年3月-5月の売り上げ収益は、前年同期比で8.9%増と2桁アップに迫る勢いを見せた。

この流れをけん引したのがユニクロの海外事業だ。16年秋にはシンガポールで東南アジア初のグローバル旗艦店がオープンするなど、海外展開がユニクロの成長を下支えする。日本国内の人気・定番商品であるポロシャツやウィメンズのブラウス、感動パンツなどの商品は、東南アジア・オセアニア地区でも人気を集めた。特に軽量で吸汗速乾性の機能を備えたドライEXポロシャツは、熱帯で汗ばむ東南アジアの気候に適した商品で売上アップにも寄与した。

事業別でみた海外ユニクロ事業は、17年3月-5月の売上収益が前年同期比17.5%増の1687億円と、国内ユニクロ事業の売上収益(1983億円)に迫る勢いだ。同期間の営業利益も前年同期比50.7%の193億円と、計画を大幅に上回る増収増益となった。

このままのペースで成長が続けば、国内と海外のユニクロ事業で売上収益が逆転するのは時間の問題だろう。市場が飽和状態に近い日本国内に比べ、堅調な経済成長を続ける東南アジアを中心とした海外事業の伸びしろに今後の期待がかかる。

一方、国内のユニクロ事業については、ゴールデンウイークや母の日、感謝祭などのイベントに合わせたプロモーションに加え、テレビCMでも話題を集めたワイヤレスブラ、イージーアンクルパンツ、感動パンツなどのヒット商品も生まれ、セグメント別の17年8月期第3四半期の売上収益は、前年同期比1.2%増の6534億円となった。売上は好調だったが、社内の為替レートが円安に振れたことによる原価率の上昇、物流費や人件費などの経費もアップしたことが重しとなり、営業利益は同0.6%減の926億円と落ち込んだ。

ジーユーは苦戦

ユニクロ事業のほか、ファーストリテイリングの業績に大きなインパクトを及ぼすのがグローバルブランド事業のGU(ジーユー)だ。これまでにも爆発的な人気を呼び、流行にも影響を及ぼしたガウチョパンツなどのヒット商品を世に送り出し、業績にも貢献してきた。

今年は、トレンドを意識したデザインブラウスや、真っ直ぐに女性らしさを引き立たせるIラインのシルエットが浮かび上がるパラッツォパンツを一押し商品として打ち出したが、期待したほどのヒットにはつながらなかった。また、トレンド商品の数量が少なかったのも響き、既存店の売上が減収となった。さらに、値引きによる在庫処分を押し進めたほか、円安による原価率アップがのしかかり、苦戦が目立った。

Eコマース客拡大がカギ

いまやアパレル業界にとって欠かせない戦略の1つがEコマースで、店舗の演出や販売員の接客に重点を置いてきた高級ブランドさえもその強化を進めている。ユニクロもこの流れに乗り遅れまいと、Eコマースの成長に期待をかける。

実際にEコマースによる販売は17.3%アップし、売上構成比に占める割合も6.2%に上昇した。しかし、飛ぶ鳥を落とす勢いで成長するEコマース市場全体を考慮すれば、ユニクロにおけるEコマースは計画を下回った状態で、まだまだ存在感を示せていないのが現状だろう。飽和状態に近い国内のアパレル市場で、Eコマースをいかにして起爆剤として活用できるかが今後の課題として浮かび上がる。

大型店舗を全国に展開し、最寄りの実店舗でのショッピングが定着し、新聞の折り込み広告も浸透しているユニクロユーザーにとっては、この心理的な近さがEコマースサイトへの移行にとって大きな壁となる。一方、他のアパレルのEコマースの拡大によって、ユニクロもこの流れにうまく乗れれば、Eコマースを通して新しい顧客の開拓につながるポテンシャルも秘める。

世界の主要都市に旗艦店を展開し、ユニクロブランドグローバル化を図る戦略が奏功し、好調な海外事業がファーストリテイリングの業績を引き上げる構図が確立されつつある。これに、Eコマースがどれほど拡大するかが、今後の成長の勢いを左右することになるだろう。(ZUU online 編集部)

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