前週(7/18〜7/21)の東京為替市場では2週連続の円高となり、21日の東京銀行間のインターバンク市場の17時のレートは111円75銭で終え、週間で1円54銭(1.4%)の円高となった。ドル円の週間の高値は7月18日の112円65銭、安値も18日の111円69銭だった。

7月14日発表の米経済指標でCPIや小売売上高が市場コンセンサスを下回った。経済指標の悪化を受けてアトランタ連銀が「GDPナウ」で米国の予想GDPを下方修正し米長期債利回りが低下した。

さらに、トランプ大統領のオバマケアの代替法案が再び頓挫、これも長期債利回りを低下させるきっかけとなった。一方、欧州景気は堅調で20日の欧州中央銀行(ECB)理事会を秋からのテーパリングについての言及があり、ユーロ安が進んだ。ユーロドルは先週末の1.139ドルから今週は一時1.167ドルまで買われ15年1月以来2年半ぶりのユーロ高となった。

ドルが対ユーロで急落したことで円はクロス円で円高が進行した。6月のFOMCでの米利上げから7月11日の114円51銭まで円安が進んだ背景にはヘッジファンドの円ショートを積みましたことにあった。

シカゴ通貨先物(IMM)の投機筋(ヘッジファンド)の円ドルのポジションは7月11日時点で11万2125枚と6月27日から5万枚ほど売り残高が増えている。ネットショートの水準は15年6月以来2年ぶりのレベル。想定を上回る円高で、円ショートにロスカットの買い戻しが入っている模様だ。

前週(7/18〜7/21)の振り返り

為替展望
(写真=PIXTA)

18日の連休明けの東京為替市場で円は反騰、17時の銀行間のレートは先週末比1円05銭円高の112円24銭で終えた。

7月14日発表の米経済指標でCPIや小売売上高が市場コンセンサスを下回ったため、日本の連休中にリスクオフで欧米の株価が下落し、ドル安円高が進行していた。東京時間でも円高が進んだ。日本株が2万円割れとなったことも円高に拍車をかけることになり、一時111円69銭と6月27日以来の円高水準を付けた。

19日の東京為替市場で円は2日続伸、17時のレートは前日比9銭円高の112円15銭で終えた。

日銀の金融政策決定会合が始まった。20日には欧州中央銀行(ECB)理事会があり、日欧の金融政策の動向を見極めたいとの思惑で投資家の動きは鈍い。ドル円の一日のレンジは35銭しか動かなかった。

20日の東京為替市場で円は3日ぶりに反落、17時のレートは前日比14銭円安の112円29銭で終えた。

好決算への期待と原油相場の上昇でNYダウなど米主要3指数がそろって過去最高値を更新した。為替はドル安傾向が続いている。日銀の政策決定会合は予想通り現状維持ながら、インフレターゲット2%の達成時期の予想を18年から19年に先延ばししたため、当面日本の低金利が続くとの見方がから日経平均が先物主導で123円高となった。株高で円は若干売られたが基本的には同日に行われるECB理事会待ちの展開だった。

21日の東京為替市場円は反騰、17時のレートは前日比54銭円高の111円75銭で終えた。

注目のECB理事会は予想通り現状維持だったが、ドラギ総裁は政策などの変更を「秋に議論する」とテーパリングへの意欲を示した。ユーロが買われドルが売られ、クロスレートで円高に振れた。もっとも週末と言うこともありドル円の一日のレンジは36銭と小幅な動きに終始した。

先週の海外動向を振り返る

21日のNY為替市場で円は4日続伸、ドル円は一時111円01銭と6月22日以来の円高水準を付けた。対ユーロでドル売りが継続しておりクロス円が買われた。米長期債利回りは一時2.22%と約3週ぶりの低水準を付けた。

「7/24〜7/28」の為替展望

今週のドル円のメインシナリオは、110円25銭から112円71銭のレンジを想定している。

今週も米景況感で為替が振り回される展開が続きそうだ。24日の米6月中古住宅販売、25日の米7月CB消費者信頼感指数、26日の米6月新築住宅販売件数、28日の米4−6月GDPが注目される。経済指標がコンセンサスを上回ればドル高、下回ればドル安となる公算が強い。

前述したようにヘッジファンドの円ショートが積み上がっている。さらに円高に進むようならさらなるロスカットの買い戻しをトリガーする可能性があり注視したい。

テクニカルでは、21日移動平均線の112円71銭がドル円のレジスタンスになる。サポートは5月18日の110円25銭。

今週の重要なイベントは、25日から26日に開催される米FOMCだ。政策変更はないだろうが、金融緩和の債券買い取り等で膨らんだバランスシートの縮小の動きが出るかどうかが最大の注目材料。次回の9月20日のFOMCでの政策変更を示唆する文言が声明文に入るかどうかが焦点となる。25日には日銀が6月の金融決定会合の議事録を公開する。30日には横浜市長選挙が予定されている。

経済指標は、日本では28日の6月の全国CPIと7月の東京のCPI、家計調査の6月の消費支出、6月の失業率、有効求人倍率など、物価、雇用、消費関連の重要な指標が発表される。海外では24日の米6月中古住宅販売、25日の米7月CB消費者信頼感指数、26日の米6月新築住宅販売件数、28日の米4−6月GDPが注目される。

平田和生(ひらた かずお)
慶應義塾大学卒業後、証券会社の国際部で日本株の小型株アナリスト、デリバティブトレーダーとして活躍。ロンドン駐在後、外資系証券に転籍。国内外機関投資家、ヘッジファンドなどへ、日本株トップセールストレーダーとして、市場分析、銘柄推奨などの運用アドバイスをおこなう。現在は、主に個人向けに資産運用をアドバイスしている。

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