③富裕層・超富裕層の世帯数と資産額の推移


野村総合研究所 日本の富裕層・超富裕層は81万世帯、その純金融資産総額は188兆円 より。

一般的な傾向として、富裕層・超富裕層程その金融資産に占める現金・預金以外の金融商品の割合が高くなります。
2009年は2007年に比較して、富裕層以上の資産・人数ともに減少していますが、2008年のリーマンショックにより、株式を中心に様々な資産が急激に値下がりしたことが理由と推測されます。

※ただし、この間に円高も進んだため、ドルベースでは日本人の富裕層の総数は増加傾向にあります。

参考: 日本の富裕層人口増加のニュースとその理由

④世界の国々の富裕層人口の比較


クレディ・スイス、2012年度「グローバル・ウェルス・レポート」より。

野村総合研究所のレポートよりも人数が増えていますが、参照元のグローバル・ウェルス・レポートでは、富裕層の定義が不動産も含む純資産100万ドル(レポート作成時のレート=1ドル78円で計算)のためです。

また、2012年から2017年にかけて富裕層の増加が予想されていますが、これは新たに築かれる人達が出てくることに加えて、現在高齢な富裕層以上の方からの相続によって財産が移転される際に、その拡散が予想されるためです。

⑤富裕層のリスク回避思考が鮮明に

野村総合研究所は、富裕層にアンケート調査も行いました。

資産運用に関する考え方では、「金融商品を選ぶ際には、たとえリターンが低くても『安全・確実』を最優先にしたい」という設問に対して、富裕層・超富裕層が「全くそう思う」もしくは「どちらかといえばそう思う」のいずれかに回答した割合が、2007年の62%から2012年には66%に増加(「全くそう思う」は19%から28%に増加)しています。
また、「機会があったらデリバティブなどの最先端商品にも投資してみたい」と回答した割合は、2007年の16%から2012年には10%に減少(「全くそう思う」は5%から1%に減少)しています。

富裕層・超富裕層の、リスク志向や最先端商品への運用志向が低下していることが伺えます。
(※アベノミクスによる円安・株高の前の統計のため、現在の実態とは乖離があるかもしれません。)

以上、日本の富裕層事情に関しての最新版をお届けしました。
また情報のアップデートがありましたら、提供させて頂きたいと思います。

BY TOMB