昨日の海外時間には、米長期金利が低下して円買いが強まる場面もありましたが、NY時間にはいって米長期金利が反発上昇に転じたことから円売りが優勢となりました。

昨日の海外市場

(写真=PIXTA)

欧州時間、序盤から米長期金利が低下する中日経平均先物が下落したことから円買いが優勢となって、ドル円は113.20円台まで、ユーロ円は131.90円台まで下落しました。この間ユーロドルは1.1640台を中心としたもみ合いが続きました。

NY時間午前にかけて、東京時間からメイ英首相に対する懸念で売られていたポンドが買い戻されたこともあってユーロ買いが優勢となって、ユーロドルは1.1670台まで、ユーロ円は132.20円台まで上昇しました。

NY時間午後にかけて、米長期金利が上昇する中、各国株価が上昇するとリスク選好の動きで円売りが優勢となって、ドル円は113.60円台まで、ユーロ円は132.50円台まで上昇し、ユーロドルは1.1650台までやや反落しました。

東京時間にはいってからは、日経平均が反発していることから円売りがやや優勢となっています。

FF金利先物市場の年内のFOMC追加利上げ織り込み度合いは100%で変わらず、2018年6月の2回目の利上げの織り込みは約72%へ上昇しています。

今日の予定

今日の海外時間には独・10月消費者物価指数、独・第3四半期GDP、英・10月生産者/消費者/小売物価指数、独・11月ZEW景況感調査、ユーロ圏・11月ZEW景況指数、ユーロ圏・9月鉱工業生産、米・10月生産者物価指数の発表があるほか、イエレン・FRB議長、ドラギ・ECB総裁、カーニー・英中銀総裁、黒田・日銀総裁が参加するECBのパネルディスカッション、ブラード・セントルイス連銀総裁、クーレ・ECB理事、ボスティック・アトランタ連銀総裁の講演が予定されています。

今後の見通し

今夜は、ECB主催の会議で米英欧日の中央銀行総裁が一同に会して『中央銀行のコミュニケーションにおける挑戦と課題』と題されたパネルディスカッションが行われれます。こう着しているドル円、ユーロドル、ポンドドルなどが動くきっかけになるのか注目されます。一方、米長期金利は昨日一旦は反落したものの、再び上昇してこの約半月で最も高水準となっています。このまま10月後半につけた2.47%付近までの上昇となればドル円の買い要因となりますが、上値の重い中米長期金利が反落すればドル円は113円を割り込む展開が予想できます。

ドル円買いポジションを維持

引き続きドル円の買いポジションを維持し、112.90円割れに損切りを置きながら、114円台前半での利食いを目指します。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOチーフストラテジスト。