お金の使いみちを自分で判断できていますか?

笑って役立つマネークリニック
(画像=©朝日放送)

橋詰:マネークリニック「次のかたどうぞ」。このコーナーでは、リスナーから著名人まで、みなさまからお寄せいただいた、お金に関する悩みごとに、具体的にわかりやすくお答えしていきます。さて今週のお悩みですが、吹田市にお住まいの33歳の女性からメッセージをいただいています。

篠原:ありがとうございます。

橋詰:ありがとうございます。 「篠原さん、橋詰さん、おはようございます。いつも身支度をしながら聞いています。もうすぐ12月。年末年始が近づくと、いよいよバーゲンセールの時期ですね。私はバーゲンセール、そして閉店セールをしている店を見つけると、ついつい入ってしまい、もともと買う予定だったもの以外のものまでたくさん買ってしまいます。家に帰って、また無駄遣いをしてしまったと後悔してばかりです。ですので、独り暮らしでフルタイム勤務なのに、まったくお金が貯まりません。篠原さん、どうすれば無駄遣いせず、お金を貯めることができるのでしょうか?」という33歳の女性からのお悩みです。わかるー。

篠原:(笑)わかる。

橋詰:ほんとわかる。もう、ついつい見ちゃう。バーゲンとかね、セールとか言われるとね。

篠原:これ、橋詰さんが出してきたんですか?

橋詰:これ、もしかしたら私なのかな(笑)。いやー、プレセールなんかもぼちぼち始まろうとしていますので。

篠原:セールと聞いたら腰が動いて、行かなしょうがないと。

橋詰:掘り出し物があるんじゃないかとか。

篠原:あるんじゃないかとか。

橋詰:流行りのものとかは、安く買いたいですからね。

篠原:行かな損するんちゃうか、みたいな。

橋詰:とりあえず見とこうっていうかんじになっちゃいますよね。

篠原:これは無駄遣いとかね、お金が貯まらないとか、そういうご相談もけっこう多いんですよ。

橋詰:来ますか?

篠原:はい、来ます。

橋詰:FP事務所にも。

篠原:来ます。

橋詰:もうやめられないんです、買い物とか。

篠原:来てるってことは、この方も、何か変えたいと思っているので、何か気づいたってことですよね。

橋詰:そうですよね。

篠原:でないと、お手紙を出してこないってことなので、これはひとつのアクションですよ。

橋詰:でもどうすれば、無駄遣いをせずにすむのかって、そりゃ、我慢しろって言われたらそれまでなんですけどね。

篠原:そうですよね。

橋詰:なんかいい方法ってあるもんなんでしょうかね。

篠原:実はすべて理屈があったりとか、無駄遣いをするときに、行動経済学っていう言葉があるんですね。

橋詰:えー?行動経済学?FPは詳しいんですか?

篠原:これはFPではそんなにしないんです、実は。FPのなかではね。けど僕もこれは好きなので、けっこう調べたりするんですけども。

橋詰:ああ、そうなんですか?

篠原:実はですね、そんなに難しくはないんですよ、行動経済学って。

橋詰:えー、でも、経済とか入ってますけど。

篠原:そうでしょ。難しそうでしょ?でも実はちゃんとZUU onlineさんのサイトのなかにも記事がありまして、ちょっとそれピックアップして、ご紹介しましょうか?

橋詰:お願いします。

篠原:ZUU onlineさんの記事のなかに、こういうタイトルがありました。「無駄遣いする脳のクセ6選 あなたはいくつ該当しますか?」。

橋詰:脳のクセなんですか?無駄遣いって。

篠原:はい。たとえばこのお手紙の方のように、思ったより散財してしまったとか、またやってしまったとか、誰しもあるのではないだろうかと。

橋詰:ありますよー。

篠原:こういうのを行動心理学の観点から対策を。まずはこれを知っておいて、知ることによって対策できますので。

橋詰:おもしろそうですね。

篠原:では脳のクセ6選、ざーっとご紹介しますね。

橋詰:6つあるわけですね。

篠原:まずひとつ目。みんなが持っているから自分も欲しい。バンドワゴン効果。

橋詰:バンドワゴン効果。そういうのがあるんですか?

篠原:2つ目。なんとなくお得と勘違い。フレーミング効果。3つ目。特別価格につられる。アンカリング効果。4つ目。本日限りに飛びつく。希少性の原理。5つ目。松竹梅なら竹を選ぶ。極端回避性。最後。送料無料、めがけて買い足す。テンションリラクション効果。

橋詰:うわー、あはは!(笑)私それ。わかる。

篠原:これ6つ、どうですか?

橋詰:まず最初が、みんなが持っているから自分も欲しい。

篠原:バンドワゴン効果。

橋詰:そりゃあそうでしょ。

篠原:たとえば、並んでるとかあるじゃないですか。

橋詰:おいしそうな店とかに?

篠原:はい。並びます?

橋詰:あのー。チェックしますね。で、並んでないときに、すいてるときにまた行きなおしたりとか。なんせ、気になります。

篠原:気になりますか。

橋詰:並んでいる店というのは。パン屋さんとかケーキ屋さんとか。

篠原:なるほど、なるほど。要はそこをちょっとチェックしといて。いやでもこれ、日本人多いじゃないですか?バンドワゴン効果というのは。

橋詰:それはやっぱり流行っているものとかね。服なんかでもそうでしょ。ワイドパンツ流行ってるっていったら、やっぱり買っときたいし、コーデュロイが旬やと言われたら、コーデュロイとりあえず買おうと。あるでしょ、そういうの。

篠原:いや、あるでしょって、目むいて言われてもね(笑)。

橋詰:違うの?

篠原:これ、橋詰さん6敗違います?

橋詰:これ、たぶん6敗だと思いますよ。でもみんなそうなんじゃないの?

篠原:あるでしょって言ったら、全部あるんじゃないですか、橋詰さん。簡単に触っていきます?バンドワゴンというのは、行列の先頭を行く、楽隊車というか、楽器とかひいている車ですよね。先頭に走っている。それにみんなついていく、みたいなところから、バンドワゴン効果というのが出たらしいんですけど。

橋詰:なるほど。

篠原:これ、大阪少なそうですね。

橋詰:あのね、これ、関東のほうが、行列に1時間待ちであろうが2時間待ちであろうが、並ぶらしいですね。

篠原:並びますよね。

橋詰:関西の人は、いらちだったりするから、それ諦めて似たような店に入ったりとか。

篠原:いらち…。久々に聞きました、いらち。

橋詰:そういうところがあるらしいですけど。でも今みんなスマホあるでしょ。だから待ち時間退屈しないから、わりと並ぶようになってるみたいですよ。

篠原:なるほど、なるほど。

橋詰:いらちの関西人も。

篠原:なんだったら、なんで並んでるんですか?って、わからん、って言って並んでいる人いますからね(笑)。わからんけど並んでるんや、みたいな。

橋詰:そう、聞かれたりしますよね。これなんの行列ですかって。

篠原:行列みたいなね。言葉とかでも多いですよね。これ、けっこう金融の世界でも多いんですよ。

橋詰:へー。

篠原:たとえば投資信託で人気ナンバーワンですよとか。これものすごい今売れていますよとか。

橋詰:それもバンドワゴン効果なんですか?

篠原:バンドワゴン効果ですよ。

橋詰:だって知識がなかったら、やっぱり、それやったらこっちにしとこうかなーってなりますもん。

篠原:なるでしょ。たとえばマンションなんかそうでしょ?新築分譲マンションで、即日完売!とか。

橋詰:あー、はいはい。

篠原:完売するんのや。急がな、急がな、みたいな。

橋詰:買っとかな、みたいな。

篠原:買っとかな、みたいな。あれもバンドワゴン効果ですよ。

橋詰:それは、篠原FPに言わせると、おろかなんですか?

篠原:いや、全然おろかですね。下の下ですね(笑)。

橋詰:うそ、どうしよう。私下の下。それ、どうしたらいいんですか?

篠原:分譲マンションでも、販売時期がだいたい3期くらいに分かれるんですよね。

橋詰:あー、それそうですよね。

篠原:3戸だけ第1期で売ったときに、3戸しか売れなくても、3戸ですから完売になるじゃないですか。そういうふうにやられてしまうとか。だから本質を見るのがけっこう大事かなと思いますね。

橋詰:でもそうやって考えて悩んでいるうちに、もう手に入らなくなるかもしれないじゃないですか。

篠原:出た!バンドワゴン効果で、もうやられているじゃないですか。

橋詰:(笑)ほんとだ。それが、あかんと。

篠原:そうそう。もうそれはそんときですよ。

橋詰:諦める。

篠原:諦める。

橋詰:それがねー。

篠原:自分の感情と判断でジャッジしてるか、それとも周りに何か言われてジャッジしてるか。これほんと大きいかなと思いますね。

橋詰:バンドワゴン効果ね。これ覚えておいて、ちょっと思い出すようにします。なんかうっかり買いそうになったときに(笑)。

篠原:バンドワゴンしてるみたいな。

橋詰:ああ、私あかんわ。下の下やわって思うようにします(笑)。

篠原:(笑)けど、それはそうですよ。これはもう下の下と僕は言いますよ。

橋詰:わかりました。

篠原:2番目がね、フレーミング効果。

橋詰:なんとなくお得と勘違いしてしまうという。

篠原:そうですね。

橋詰:たとえばどういうことなんでしょう?

篠原:たとえば月々3000円ですよっていうのと、いやいや、1日100円ですよというのと、結局答は一緒じゃないですか。

橋詰:30日間100円を払い続けたら3000円ですもんね。

篠原:1日100円ですよって言ったら、なんか安く感じるでしょ?

橋詰:感じますね。なんかコーヒー1杯くらいかなってね。

篠原:ですよね。要はこういうちょっとした、同じ意味だけどフレームを変えるというだけで、ちょっと聞こえがよかったりとか、いうのがあるんじゃないですか?だから聞こえですよね。ものは言いよう、みたいな。

橋詰:そうですね。

篠原:これもこういう効果があって、人間は行動で、経済でお金を払ってしまうという。

橋詰:そういうときは立ち止まって、電卓をたたいてみるとか(笑)。

篠原:(笑)そうそう。電卓を。

橋詰:(笑)そういうことですよね。たたいている間に冷静になる。

篠原:冷静になる。

橋詰:それから3つ目が。

篠原:アンカリング効果。

橋詰:聞いたことないですね。

篠原:船が下ろすアンカーですよね。たとえばこれどうですか?特別価格1万円というのと、定価3万円のところが特別価格1万円。どっちですか?

橋詰:そりゃ後者のほうが。3万円が1万円になってる。半額どころの騒ぎじゃないですからね。

篠原:その3万円にアンカーがつくわけですよね。安いと思い込むので。

橋詰:でもそういうの多いですよ。私も夏休み、家族旅行で北海道行ってきたんですけど、居酒屋さんに入ってね、毛ガニが1ぱい5000円のところ本日2900円って書いてあるわけですよね。それでゆでた毛ガニを注文したわけなんです。でもそれって、もしかしたら毎日2900円で出しているかもしれないなと思ったりとか。

篠原:けど食べたんでしょ。

橋詰:でも観光客だからわかんないし。

篠原:わかんないですもんね。

橋詰:食べました。おいしかったですよ。

篠原:おいしかったんですか。

橋詰:また食べたいですけど。そういうことですか、アンカリングって。

篠原:そうですね。たとえば5万8000円、斜線を引いて、2万9800円。普通だったら立ち止まってしまうじゃないですか。ただ単に2万9800円だったら立ち止まらないじゃないですか。企業側がそういう戦略をしているというような。

橋詰:まあ、でも引っかかっちゃいますね、これ。

篠原:引っかかりますか。

橋詰:篠原さんはどうなんですか?

篠原:いや、僕全然こんなん引っかからないですよ。

橋詰:うそー。

篠原:実は昔はむちゃむちゃ引っかかってたんですよ、これに関して。すべてですね。

橋詰:もう、すぐ買っちゃってた。

篠原:すべてです。すべてやられてたんですけど。今は全然効かないですね。

橋詰:じゃあ、どうしてるんですか?

篠原:僕の効果言っていいですか?僕ね、あやつり人形理論って持ってるんですよ。

橋詰:あやつり人形理論!

篠原:あやつり人形理論ていうのがあって、たとえばさっきのセールとかでも、立ち止まって僕はあやつられてその店に持っていくわけじゃないですか。その言葉がね。僕はものすごく腹が立つんですよ。お金に振り回されている気がして。たとえばタバコ止めたのもそれなんですね。

橋詰:へー。

篠原:寒いなか、コンビニにタバコ買いに行ったりとか。盛り上がってるのに、暗いなか、ちょっとタバコ吸いに行ったりとか。僕はタバコにあやつられているじゃないですか。

橋詰:そうですね。

篠原:ものすごい腹立つんですよ。もうその時点でいっさい吸わない。

橋詰:いやー、そんな強い精神力がおありなんですね!

篠原:ビール止めたんも、とりあえずビールでいいですか?って言われ続けてて、とりあえずビールでいいですかって言われたときに、僕がいいよって言う前に、ビールって頼んだ人がいたんですね。いや、俺まだ言ってないのにと。そしたら僕はビールにあやつられている気がして、そっから一口もビール飲んでないです。

橋詰:(笑)ほんとに?じゃあ、別のもん飲んではるんですか?

篠原:はい。レモン酎ハイばっかり飲んでます(笑)。

橋詰:(笑)それは、今レモン酎ハイにあやつられてるのとちゃいますか?

篠原:あやつられてる。けどそれは僕の意思で。僕の判断のジャッジでやっているので。

橋詰:そうか、なるほど。

篠原:他人とか、周りのジャッジで今まであやつられていたのを全部排除したんですね。

橋詰:自分主導でいくと決めた。

篠原:僕のジャッジで、僕がいいと思ったことしかやらない。

橋詰:買い物でもそれで。

篠原:もちろんです。だからいっさい見ないです。

橋詰:無駄遣いもしない。

篠原:まったくしないですね。もちろんお金は使いますよ。全部自分がジャッジして、お金を使ってあげるという意識に変わったので。

橋詰:いや、私もね、無駄遣いいっさいしてないですよ。

篠原:そんなことないと思います。

橋詰:してないけど、これ6つとも当てはまりますよ。

篠原:それ、もう、橋詰理論ですよ。それが無駄遣いをしてないと思いこむ橋詰理論出ましたね。

橋詰:全部必要ですけどね、買ってるもの。

篠原:これどうですか?松竹梅の極端回避性理論。

橋詰:これどういうことなんでしょう。

篠原:たとえばうな重を食べに行ったとしましょう。並1500円、上2800円、特上4300円というメニューがあったら。

橋詰:ほー。3つあると。まあ、間をとってしまうということですかね。2800円。

篠原:そうですね。これが松竹梅理論なんですね。

橋詰:あー、ちょっとわかります。

篠原:真ん中を選ぶ人がけっこう多い傾向があるんですって。

橋詰:上中下とあったら、中を選んでしまう。

篠原:多い。真ん中を選んでしまうと。

橋詰:なんかそのほうが安心というか。一番安いのっていうのもなー、でも一番高いのも贅沢しすぎかなー。中間とっておこうかなっていうね。

篠原:人間、失敗をしたくないという気持ちがここで出るんでしょうね。だから賃貸マンションもそうですよ。むちゃむちゃいい部屋を初めに見せて、むちゃむちゃ手が届かないような部屋を見せて、次にむちゃむちゃ汚いような古ーい物件を見せると。最後に唯一当てはまっているような部屋を見せたら、それを選ぶという。これはアンカー理論もちょっと入ってますけどね、一番最初に。

橋詰:あとは送料無料をめがけて買い足す、テンションリラクション効果。

篠原:テンションリラクション効果。

橋詰:いや、めがけて買い足してますよね(笑)。

篠原:あと200円で送料無料になります、みたいな。

橋詰:ネットとかでそうじゃないですか。子どものものとか、よくネットで買いますけど。トレーナー買って、ズボン買って、さあ決済しようかなと思ったら、あと1600円で送料無料とかになるので。

篠原:けっこう高いですよ、1600円で。

橋詰:あと1600円か。でも双子だからひとり800円ずつなんか買ったら送料無料かーって思って、靴下やらなんやら買い足しますよね。

篠原:えい!と。ついで買い。出ましたね。

橋詰:だって送料無料になるんですよ。

篠原:(笑)完全にテンションリラクション効果にはまっている人じゃないですか。

橋詰:じゃあ、篠原さんなら、なんや送料くらい払ったると。

篠原:もう全然そうですね。

橋詰:ほんとに?

篠原:僕にそれを持ってくるなということで。あれとかそうでしょ?お子さんとファミレス行って、おじいちゃんとかと一緒に行ったら、レジにおもちゃあるじゃないですか。

橋詰:あれ、いやなところにあるんですよ。最後の最後。

篠原:テンションリラクション効果をやるじゃないですか。買ってって言われたらどうですか?買ったりするんですか?

橋詰:やむをえず買うときもありますね。待ってるときとかね。長いこと待たないといけないときとかね。

篠原:うまいことありますからね、あれ。けっこう高いんですよ、あのおもちゃ。

橋詰:高いですよね。もっと安く売ってるとこあるのに、とかってね。

篠原:問屋行ったらもっと安いのにとか。けど、おじいちゃんは断れないですからね。せっかく楽しいファミレスで、最後あかんと言えない。企業もこういう戦略けっこうしてるんですよね。

橋詰:そうなんですか。そこに乗っかってしまってはいけないんですか。

篠原:そうですね。企業もやっぱり財布を開けよう開けようとしてますので。家に帰るまでが昔遠足と言われてたじゃないですか。家に帰るまでが買い物ですから、ついで買いはいっさいしない。

橋詰:(笑)家に帰るまでが買い物。名言ですね。

篠原:名言でしょ(笑)。特上のうなぎを食べたら僕は帰る。

橋詰:すぐ帰る。

篠原:はい。

橋詰:目もくれない、ほかのものには。

篠原:だからショッピングセンター行っても、靴下買いに行ったら、靴下しか買わないですからね。

橋詰:まっしぐらですか、靴下売り場に。

篠原:はい。あと、みなさん、寄ったりするでしょ、たまに。

橋詰:寄りますよ。

篠原:うちの嫁もそうですわ。寄りますわ。ついで買い。

橋詰:寄るなと。

篠原:寄るなと。

橋詰:でもせっかく行ったらいろいろね。

篠原:家に帰るまでが靴下ですからね。

橋詰:(笑)あはは。なんかちょっと違うような気がしますけど。

篠原:自分の目的ですから。